「甚だしい」という言葉は、日常会話やビジネスシーンでよく見かけますが、正しい意味や使い方を知っていますか。
この記事では、「甚だしい」の意味、読み方、使い方、類語、英語表現など、知っておきたい情報を分かりやすく解説します。
言葉の正確な理解や、適切な使い方ができると、コミュニケーション力がグンとアップします。
ぜひ最後までご覧ください。
甚だしいの意味と読み方
「甚だしい」は、強い程度や度合いを表す日本語の形容詞です。
ビジネスや日常生活で、何かの差や違い、影響が非常に大きいときなどに使われます。
甚だしいの読み方は「はなはだしい」です。
「甚だ」は元々「程度が激しいこと」「非常に」「極めて」という意味を持っています。
この言葉が使われる場合、単に「すごい」「大きい」と言うよりも、さらに度合いや影響が強いニュアンスが含まれます。
たとえば、「甚だしい誤解」「甚だしい差」「甚だしい被害」など、マイナスな意味合いで使われることが多い言葉です。
ただし、必ずしも悪い意味だけでなく、何かがとても極端であること全般に使えます。
ビジネスの場では、相手のミスや誤解が大きい場合などに「これは甚だしい誤解です」と指摘することもあります。
そのため、使うシーンや相手との関係性に十分注意が必要な言葉でもあります。
甚だしいの語源や由来
「甚だしい」は、「甚だ(はなはだ)」という副詞に形容詞の「しい」がついたものです。
古くから使われている日本語で、「甚」は「激しい」「過度である」という意味を持っています。
この言葉が現代でも使われ続けている理由は、他の言葉では表現しきれない、強い程度や度合いを的確に伝えられる点にあります。
「とても」「非常に」だけでは足りないときに、「甚だしい」が選ばれるイメージです。
甚だしいの使い方と例文
ビジネスや日常で「甚だしい」が使われるときは、たいていネガティブな意味合いが多いですが、ニュートラルな使い方もあります。
例えば、「甚だしい誤解」「甚だしい損失」「甚だしい格差」「甚だしい違い」「甚だしい影響」などが代表的な例です。
例文としては、
「それは甚だしい誤解ですので、早急に訂正が必要です。」
「この地域の温度差は甚だしい。」
「彼の失礼な態度は甚だしい。」
などが挙げられます。
ビジネスメールや商談、プレゼン資料などで使う場合は、相手にきつい印象を与えないよう、文脈や表現に注意しましょう。
甚だしいの注意点と正しい使い方
「甚だしい」は、相手の落ち度や失敗、マイナス面を強く指摘する表現なので、使い方によっては相手を傷つけてしまうこともあります。
とくにビジネスシーンでは、「甚だしいミス」「甚だしい誤解」などと直接言うと、相手に不快感を与えてしまうリスクも。
そのため、「甚だしい」を使う際は、指摘する内容が事実であり、また相手が誤解しないよう丁寧な説明を添えるなどの配慮が必要です。
また、上司や目上の人には、もう少し柔らかい表現に言い換えるのもおすすめです。
甚だしいの類語・言い換え表現
「甚だしい」と同じような意味を持つ日本語や、ビジネスで使いやすい言い換え表現を知っておくと、表現の幅が広がります。
状況や相手に合わせて適切な言葉を選びましょう。
甚だしいの代表的な類語
「甚だしい」に近い意味の言葉には、
「著しい」「非常に」「極端な」「過度な」「大きい」「ひどい」などがあります。
ただし、どれもニュアンスや使い方が少しずつ異なります。
「著しい」は、変化や差がはっきりしているとき、「極端な」は振れ幅が大きいとき、「過度な」はやりすぎているときに使います。
「ひどい」は、マイナスの意味合いが強いので、カジュアルな場面向きです。
ビジネスでの言い換え例
ビジネスメールや報告書では、「甚だしい」をそのまま使うと、やや強すぎる場合があります。
そこで、「著しい」「顕著な」「大きな」「深刻な」など、やわらかい表現に言い換えるのが効果的です。
例:「甚だしい誤解が生じております」→「大きな誤解が生じております」
「甚だしい損失が発生しました」→「顕著な損失が発生しました」
状況に応じて使い分けることで、相手に与える印象を調整できます。
甚だしいの反対語
「甚だしい」の反対語としては、「穏やかな」「緩やかな」「軽微な」「小さい」といった表現が使われます。
たとえば、「甚だしい変化」の反対は「わずかな変化」「緩やかな変化」となります。
甚だしいの英語表現と使い方
「甚だしい」を英語で表現する場合、その文脈やニュアンスに応じてさまざまな単語が使われます。
ここでは、代表的な英訳例を紹介します。
甚だしいの英訳例
「甚だしい」は、英語では「extreme」「excessive」「considerable」「tremendous」「serious」などと訳されます。
文脈によって使い分けが必要ですが、
「甚だしいミス」→“serious mistake”
「甚だしい損失」→“tremendous loss”
「甚だしい違い」→“significant difference”
などが一般的です。
また、状況によっては「extreme」や「excessive」を使って「an extreme case」「excessive damage」などと表現できます。
英語での使い方の注意点
英語でも、「甚だしい」はネガティブな文脈で使われることが多いです。
ビジネスシーンでは、「serious(深刻な)」「considerable(かなりの)」などを使うと、丁寧かつ的確に伝わります。
カジュアルな会話や強い主張をしたい場合は、「extreme」を用いるとニュアンスが強くなります。
文脈に合わせて適切な単語を選びましょう。
ネイティブ表現との違い
日本語の「甚だしい」は、主に文章語ややや堅い表現です。
英語でも「extreme」や「serious」は、ややフォーマルな印象を持ちます。
日常会話では「very」「so much」などを使うことも多いですが、「甚だしい」のニュアンスを正確に伝えたい場合は、より強い語を選ぶのがポイントです。
甚だしいの実際の使われ方・具体例
「甚だしい」は、実際にはどのような場面で使われるのでしょうか。
ここでは、ビジネスから日常会話まで幅広い例を紹介します。
ビジネスシーンでの使われ方
ビジネスの現場では、「甚だしい誤解」「甚だしい損失」「甚だしい格差」など、重大な問題や大きな変化を強調したいときに使われます。
たとえば、会議資料や報告書、メールなどで「甚だしい問題点」「甚だしい影響」などと記載することで、状況の深刻さや重大さを伝えることができます。
ただし、相手を責める印象が強くなりがちなので、上司や取引先などには「著しい」「大きな」といった表現に言い換えたほうが無難な場合もあります。
日常会話やニュースでの例
ニュースや新聞では、「甚だしい被害」「甚だしい誤認」「甚だしい格差」など、社会的な問題や事件に対して使われることが多いです。
日常会話ではあまり頻繁には使われませんが、たとえば「この暑さは甚だしいね」「彼の失礼な態度は甚だしい」など、感情を強調したいときに使われることも。
やや堅い印象があるため、カジュアルな会話では「すごい」「ひどい」「大変な」などのほうが自然です。
文章や文学作品での使われ方
小説やエッセイ、評論などでは、「甚だしい」は深刻な状況や強い感情を表現するために使われます。
たとえば、「甚だしい格差が生じている社会」「甚だしい誤解による悲劇」など、雰囲気や情景を強調するためのキーワードとして登場します。
文章に重みを持たせたいときや、強いインパクトを与えたいときに便利な言葉です。
甚だしいの正しい使い方のポイント
「甚だしい」は便利な言葉ですが、使いどころや相手への配慮がとても重要です。
ここでは、正しく使うためのポイントをまとめます。
使う場面を選ぶ
「甚だしい」は、度合いや差が非常に大きい場合にのみ使用します。
小さな違いに使うと、誤解を招くこともあるため注意しましょう。
たとえば、「少しの違い」「小さな変化」には「甚だしい」は不適切です。
また、強い批判や否定のニュアンスが含まれるため、親しい間柄やプライベートな会話では避けるのが無難です。
相手への配慮を忘れずに
ビジネスシーンで「甚だしい」を使うときは、相手を責めるような印象を与えないように心掛けましょう。
必ず説明や補足を加えたり、やわらかい表現との併用を意識すると、円滑なコミュニケーションにつながります。
また、書き言葉として使う際も、文脈をしっかり伝えることが大切です。
言い換え表現を上手に活用
「甚だしい」が適さない場面では、「著しい」「大きな」「深刻な」「顕著な」などの言葉を使い分けましょう。
表現のバリエーションを増やすことで、より伝わりやすくなります。
同じ意味でも、相手やシーンによって適切な言葉選びができるのが、社会人としてのコミュニケーション力アップにつながります。
まとめ
「甚だしい」は、「程度や度合いが非常に大きい」「極端である」という意味を持つ日本語の形容詞です。
ビジネスや日常、文章などさまざまな場面で使われますが、その強いニュアンスゆえに、使う相手や場面に注意が必要です。
言い換え表現や英語表現も押さえておくことで、より自然で的確なコミュニケーションが可能になります。
状況や相手によって適切な表現を選び、「甚だしい」の意味や使い方を正しくマスターしましょう。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 意味 | 程度や度合いが非常に大きい、極端である |
| 読み方 | はなはだしい |
| 類語・言い換え | 著しい、極端な、過度な、顕著な、大きい、深刻な |
| 英語表現 | extreme, excessive, tremendous, serious, considerable |
| 注意点 | 強い否定や批判の印象があるため、相手や場面に配慮して使う |

