取り急ぎご報告させていただきますの意味・ビジネスでの正しい使い方を徹底解説

ビジネスメールや社内連絡でよく見かける「取り急ぎご報告させていただきます」。
このフレーズは、ビジネスシーンでよく用いられる便利な言葉ですが、その正しい意味や使い方を理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、「取り急ぎご報告させていただきます」の正しい使い方や注意点、類似表現との違いなどを詳しく解説します。

目次

取り急ぎご報告させていただきますとは?

「取り急ぎご報告させていただきます」とは、急ぎ連絡が必要な内容を、まず最初に簡潔に伝える際の定型文です。
主にビジネスメールやチャット、社内文書などで使われ、最優先で連絡だけはしておきたい場合や、詳細は後ほど伝える旨を前置きしたいときに用いられます。

この表現は、「とりあえず現時点での情報を共有する」というニュアンスが強く、報告の内容が確定していなかったり、詳細な説明が間に合っていないケースでよく使われます。
「取り急ぎ」「ご報告」「させていただきます」の3つのパーツが組み合わさっており、丁寧かつ迅速な対応をアピールする言い回しです。

「取り急ぎ」とは何か?

「取り急ぎ」とは、急いで、一時的に、まず最初にという意味の副詞です。
「とりあえず」と近い意味合いですが、ビジネスではやや丁寧な印象を与える言葉とされています。
この言葉を使うことで、「本来であればもっと丁寧にご説明したいが、まずは急ぎで要点だけ伝えます」という姿勢を表現できます。
ビジネスメールやチャットで素早く連絡する際にぴったりのフレーズです。

ただし、あまり頻繁に使いすぎると「いつも急いでいる」「詳細説明が足りない」といった印象を持たれることもあるため、本当に急ぎの連絡が必要な場合に限定して使うのがマナーです。

「ご報告させていただきます」の使い方

「ご報告させていただきます」は、「報告する」の謙譲語表現です。
目上の人や取引先などに対して、自分が主体となって報告することに対し、相手への敬意を込めて用いる言い回しです。
「させていただきます」は過剰敬語とされる場合も一部ありますが、ビジネスメールでは非常に一般的です。

「ご報告申し上げます」「ご報告いたします」などの類似表現とも比較されますが、「させていただきます」はややへりくだった印象を与えるため、目上の相手やお客様に対しても安心して使える表現です。

「取り急ぎご報告させていただきます」の使い方のポイント

「取り急ぎご報告させていただきます」は、メールやチャットの冒頭や締めくくりに使うのが一般的です。
「まずは状況のみ報告します」「後ほど詳細をお伝えします」といったフォローの一文を添えると、より丁寧な印象になります。

例えば、
「本件、進捗がありましたので、取り急ぎご報告させていただきます。詳細につきましては、別途ご連絡いたします。」
といった使い方が自然です。

ポイント 解説
使用シーン 急ぎの報告や速報、途中経過の連絡に最適
敬語のレベル 謙譲語+丁寧語で、幅広い相手に使える
注意点 連発は避ける、あくまで速報用

似た表現や使い分けについて

「取り急ぎご報告させていただきます」とよく似たフレーズには、「まずはご報告まで」「速報としてお伝えします」などがあります。
どれも速報や中間報告のニュアンスですが、微妙に使い方や印象が異なります。
ここではそれぞれの違いと、適切な使い分けについて解説します。

「まずはご報告まで」との違い

「まずはご報告まで」は、「まずはこの件について報告だけします」という意味合いです。
「取り急ぎ」と違い、急ぎのニュアンスはやや薄く、丁寧に区切りをつけて報告する印象があります。
たとえば、「本日の会議で決定事項がありましたので、まずはご報告まで。」と使います。

ビジネスメールでは、「取り急ぎご報告させていただきます」よりもフォーマルで落ち着いた印象を与えるため、緊急性が低いときはこちらを使うのもおすすめです。

「速報としてお伝えします」との違い

「速報としてお伝えします」は、「速報=すぐに伝えるべき重要な情報」を強調した表現です。
ニュースやプレスリリース、社内アナウンスでよく使われ、公式な速報感を強調したい場面に適しています。

「取り急ぎご報告させていただきます」はあくまで個人の連絡やメールに多く、「速報としてお伝えします」は組織的・公式な連絡に適しています。

「取り急ぎ失礼いたします」との違い

「取り急ぎ失礼いたします」は、「急ぎでご連絡のみ差し上げます」という意味で、メールの締めくくりや、電話の終わり際に使われます。
「ご報告させていただきます」と違い、報告内容そのものよりも、連絡行為自体を先に済ませる意図があります。

「取り急ぎご報告させていただきます」は、報告内容がある場合に、「取り急ぎ失礼いたします」は、報告内容が簡単な場合や、あいさつ代わりに使うことが多いです。

表現 ニュアンス 使用推奨シーン
取り急ぎご報告させていただきます 急ぎの報告、詳細は後ほど ビジネスメール、社内外への速報
まずはご報告まで フォーマルで落ち着いた報告 会議報告、進捗報告など
速報としてお伝えします 公式な速報・お知らせ 社内アナウンス、広報など
取り急ぎ失礼いたします 急ぎの連絡の締めくくり メール・電話の終わり際

ビジネスメールでの「取り急ぎご報告させていただきます」の使い方

実際のビジネスメールでは、どのようなシーンで「取り急ぎご報告させていただきます」を使えばよいのでしょうか。
サンプル文例を交えながら、具体的な使い方やマナーをご紹介します。

報告内容が未確定な場合

たとえば、プロジェクトの途中経過や、トラブル発生時の初動報告など、「まだ詳細が固まっていないが、関係者に早めに知らせておきたい」時に最適です。
「〇〇案件について進捗がございましたので、取り急ぎご報告させていただきます。詳細は分かり次第、追ってご連絡いたします。」といった使い方ができます。

このように、未確定情報でも一報を入れることで、関係者へ早急な共有ができるため、信頼感や安心感につながります。

緊急連絡が必要な場合

システム障害や納期遅延など、一刻も早く知らせるべき事態が発生した場合にも、このフレーズは重宝します。
「本日システム障害が発生しておりますので、取り急ぎご報告させていただきます」といったメールで、まずは状況を素早く伝えましょう。

ただし、緊急性が高い連絡では、要点を簡潔に、かつ正確に伝えることが大切です。
あいまいな表現や不確定な情報は避け、分かっている範囲だけでも明記しましょう。

追加連絡や続報を予告したい場合

「取り急ぎご報告させていただきます」を使う際には、「詳細は追ってご連絡します」など、今後の追加情報を予告する一文を添えると親切です。
「先ほどの件につきまして、進捗がありましたので、取り急ぎご報告させていただきます。詳細は追ってご報告差し上げます。」
といった形で、相手に安心感を与えましょう。

こうすることで、「連絡が途中でも、きちんとフォローアップがある」という信頼感を高めることができます。

メールのシーン 具体的な例文
進捗報告 「○○案件について進捗がございましたので、取り急ぎご報告させていただきます。詳細は追ってご連絡申し上げます。」
トラブル発生 「本日○時頃、システム障害が発生しておりますので、取り急ぎご報告させていただきます。」
続報予告 「取り急ぎご報告させていただきます。詳細が判明し次第、改めてご連絡いたします。」

まとめ

「取り急ぎご報告させていただきます」は、ビジネスシーンで急ぎの連絡や速報を伝える際に非常に便利な定型フレーズです。
正しい使い方を理解し、本当に必要な時だけ使用することで、相手に迅速で丁寧な印象を与えることができます

他の似た表現との違いや、状況ごとの使い分けを意識することで、より洗練されたビジネスコミュニケーションが実現します。
ぜひ適切なタイミングで活用し、信頼されるビジネスパーソンを目指しましょう。

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