ビジネスやフォーマルな場面でよく耳にする「この場を借りてお礼申し上げます」。
どんなシーンで使うのが正しいのか、意味やニュアンス、例文や類語も詳しくご紹介します。
言葉の選び方で印象が変わる大事なフレーズだからこそ、正しい知識を身につけておきましょう。
この場を借りてお礼申し上げますの意味と使い方
「この場を借りてお礼申し上げます」は、その場を利用して感謝の気持ちを伝えるという意味の、非常にフォーマルな日本語表現です。
主にビジネスシーンや公式な挨拶、スピーチ、メール、手紙などで用いられることが多い表現です。
相手に直接「ありがとう」と伝えるだけでなく、多くの人が集まる場や、正式な席で代表して感謝を述べたいときに使います。
この表現を使うことで、文脈や場の空気を大切にしながら、相手に丁寧な印象を与えることができます。
意味の詳細とニュアンス
「この場を借りて」とは、「今ここで、皆さまの前で」という意味合いがあり、「お礼申し上げます」は「感謝を申し上げる」という非常に丁寧な敬語表現です。
このふたつを組み合わせることで、公式の場で、他の方々の前で改めて感謝の意を表すというニュアンスになります。
この言い回しは、個人的な感謝ではなく、公の場で多くの人に向けて伝えることが特徴です。
そのため、カジュアルな会話や親しい間柄ではあまり使われません。
また、あくまで「この場(今いる場所、状況)」に対して感謝の気持ちを表すため、メールや書面上でも「この場を借りて」と書くことで、儀礼的な印象を与えます。
ビジネスシーンでの使われ方
ビジネスシーンでは、式典や会議、プレゼンテーション、送別会や表彰式など、多くの人が集まる公式な場面で頻繁に使われます。
例えば、退職や異動の挨拶、プロジェクトの締めくくり、謝恩会などで、「この場を借りてお礼申し上げます」と述べることで、関係者全員に感謝の気持ちを伝えることができます。
また、直接個別に感謝を伝える機会がなかった相手に向けて、公式な場であらためて感謝を表現する際にも用いられます。
この表現を使うことで、場を大切にし、礼儀を重んじる姿勢が伝わります。
ビジネスメールの場合でも、「この場を借りてお礼申し上げます」を文中に加えることで、文章全体がより丁寧で格式高いものになります。
例文とその解説
「この場を借りてお礼申し上げます」を実際にどのように使うのか、具体的な例文を挙げてみましょう。
・本日は私のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて、これまでご指導いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
・この度のプロジェクト成功にあたり、皆様のご協力に深く感謝いたします。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
・在職中は多大なるご支援、ご厚情を賜り、誠にありがとうございました。この場を借りて、心より御礼申し上げます。
いずれも、多数の人に対して改めて感謝を伝えたい場合に自然に使える表現です。
類語・言い換え表現とその違い
「この場を借りてお礼申し上げます」には、似た意味の言い換え表現もいくつか存在します。
それぞれの違いや、使い分けについても確認しておきましょう。
主な類語・言い換え表現
・「この機会にお礼申し上げます」
・「改めて感謝申し上げます」
・「心より御礼申し上げます」
・「厚く御礼申し上げます」
これらの表現も、いずれも感謝の意を丁寧に伝えるフレーズです。
ただし、「この機会にお礼申し上げます」は、”この場を借りて”よりもややカジュアルな印象になります。
「改めて感謝申し上げます」は、過去に感謝を伝えたことがある場合や、さらに気持ちを強調したいときによく使われます。
使い分けのポイント
「この場を借りてお礼申し上げます」は、大勢の前・公式な場・格式を重視する場面で使うのが最も適しています。
一方で、個人的なやりとりや、直接感謝を伝えるときには「心より御礼申し上げます」「改めて感謝申し上げます」などが自然です。
また、言い換え表現を組み合わせて使うことで、より自分の感謝の気持ちが伝わる文章に仕上げることもできます。
場面や相手との関係性に合わせて、適切な表現を選びましょう。
間違いやすい使い方・注意点
「この場を借りてお礼申し上げます」は、その場にいる全員や、周囲の人々に向けて感謝を伝える表現です。
そのため、一対一のメールや、カジュアルな会話で使うと、やや大げさに聞こえる場合があります。
また、「この場を借りて」の部分だけを使ってしまうと、何に対して感謝しているのかが曖昧になるため、必ず「お礼申し上げます」までセットで使うようにしましょう。
場の雰囲気や相手の立場を考慮して、適切なタイミング・文脈で使うことが大切です。
よくある質問とその答え
「この場を借りてお礼申し上げます」に関して、よく寄せられる疑問や使い方について解説します。
メールや書面でも使えるの?
はい、メールやビジネス文書でも「この場を借りてお礼申し上げます」はよく使われます。
対面での挨拶だけでなく、公式な報告書や感謝状、社内外へのお知らせなどでも使える便利なフレーズです。
ただし、あくまで「公の場」や「複数の人に対して発信する文書」向きなので、個別のメールなどでは他の表現を選びましょう。
似た表現との違いは?
「この場を借りてお礼申し上げます」と「この機会にお礼申し上げます」は、どちらも感謝を伝える表現ですが、前者は「今いる場」で、後者は「今このタイミングで」という違いがあります。
より格式や厳粛さを重視するなら「この場を借りて」を選ぶのが一般的です。
どんな場面で使うのが適切?
主に、卒業式・送別会・入社式・表彰式・会議・プレゼン・公式なスピーチなどが挙げられます。
また、プロジェクト終了時や取引先への公式な謝辞でもよく使われます。
あらたまった場面や、多くの人が集まる席で使うことで、自分の感謝の気持ちを広く、かつ丁寧に伝えることができます。
この場を借りてお礼申し上げますのまとめ
「この場を借りてお礼申し上げます」は、公式な場で多くの人に感謝を伝える日本語の美しいフレーズです。
ビジネスシーンやフォーマルな挨拶、メールやスピーチなどで使うことで、あなたの誠意や礼儀をしっかりと伝えることができます。
類語や言い換え表現と使い分け、注意点をしっかり理解して、シーンに合わせた正しい使い方を身につけておきましょう。
これからも「この場を借りてお礼申し上げます」を上手に使いこなして、より良いコミュニケーションを築いてください。
| キーワード | 意味・ポイント |
|---|---|
| この場を借りてお礼申し上げます | 公式な場で多くの人に感謝を伝える敬語表現。ビジネスや式典などで使用。 |
| この機会にお礼申し上げます | 感謝のタイミングを示唆。ややカジュアル。 |
| 心より御礼申し上げます | 丁寧な感謝表現。個別のやりとりにも使える。 |
| 改めて感謝申し上げます | 強調や再度感謝したい時に。 |

