「のたまう」は、日本語の中でも非常に格式高い表現のひとつです。
聞いたことはあるけれど、実際に使ったことがない方も多いかもしれません。
この記事では、「のたまう」の意味や正しい使い方、敬語としての表現、日常会話やビジネスシーンでの注意点などを分かりやすく解説します。
敬語や謙譲語、尊敬語との違いについても詳しく掘り下げるので、語彙力アップや日本語力向上を目指す方は必見です。
のたまうとは
「のたまう」という言葉は、非常に古風で格式の高い尊敬語として知られています。
現代の日常会話ではあまり使われることはありませんが、文学作品や格式ある場面、またはユーモラスに古風さを強調する際などに登場します。
「言う」の尊敬語であり、目上の人や神仏など、極めて高い地位の存在が話す場合に用いられます。
「のたまう」は古典文学や能・歌舞伎などの伝統芸能、または時代劇のセリフにも頻繁に見られます。
現代の日本語で耳にすることは稀ですが、正しい意味や使い方を知っておくことで教養が深まります。
のたまうの語源と歴史的背景
「のたまう」は、日本語の古語に由来しています。
平安時代や鎌倉時代の文学作品において、天皇や貴族、神仏などが発言する際に用いられました。
古語では「宣ふ」と表記されることが多く、現代語訳では「おっしゃる」「言われる」となります。
このような歴史的背景から、「のたまう」は非常に高貴な人物が使う言葉という印象が強く残っています。
また、「のたまう」は単体で使われるだけでなく、「のたまわく」という形で、「~とおっしゃるには」という意味でも使われます。
和歌や俳句、物語の語り口として用いられることもあるため、文学を学ぶ方には必須の語彙です。
現代日本語におけるのたまうの使い方
現代日本語では、「のたまう」を日常会話で使うことはほとんどありません。
しかし、伝統芸能や格式の高い式典、あるいはユーモアを交えて使う場合など、ごく限られた状況で登場します。
たとえば、時代劇の登場人物が「殿がおのたまうには……」と口にすることで、その場の雰囲気や人物の格を表現することができます。
また、現代の会話であえて「のたまう」を使う場合、やや皮肉や冗談を交えて「先生がまたのたまってたよ」などと使うこともあります。
このような場合は尊敬の意よりも、古風なニュアンスや親しみ、時には揶揄の意図を帯びますので、使い方には注意が必要です。
のたまうと他の敬語・謙譲語との違い
「のたまう」は「言う」の尊敬語ですが、他にも同じような意味を持つ敬語表現がいくつか存在します。
例えば、「おっしゃる」「申される」「仰せになる」などが挙げられます。
これらの語は、現代日本語でより一般的に使われています。
「のたまう」は、最も格式が高く、極めて限定的な場面で用いられる敬語です。
一方、「申す」「申し上げる」などは謙譲語となり、話し手が自分や身内の発言をへりくだって伝える場合に使います。
「のたまう」とは正反対の立場で使われるため、混同しないように注意しましょう。
のたまうの具体的な使い方
このセクションでは、実際に「のたまう」を使った例文や、どのような場面で使われるかを詳しく説明します。
使い方を知ることで、より正確に日本語を使いこなせるようになります。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスシーンでは、「のたまう」を使うことはほとんどありません。
現代のオフィスやビジネス文書では、「おっしゃる」「仰せになる」などが一般的です。
「のたまう」は古語に近いため、取引先や上司に対して使うと、かえって違和感を与える場合があります。
ただし、社内で冗談めかして「部長がまたのたまってましたよ」などと使うこともありますが、これは極めてカジュアルな用法であり、目上の人に対しては避けるのが無難です。
正しいビジネス敬語を使うためには、相手の立場や状況に応じて「おっしゃる」「仰る」などを使い分けましょう。
「のたまう」は、格式やユーモアを強調したい特別な場面以外では使わないようにするのが一般的です。
日常会話や文学作品での使い方
日常会話では「のたまう」を使うことはほぼありませんが、文学作品や時代劇、または日本文化に関する場面では頻繁に登場します。
たとえば、古典文学の登場人物が「帝ののたまうには……」と語ることで、登場人物の格や物語の雰囲気を際立たせます。
和歌や俳句の前書き、物語の枕詞としても用いられることがあります。
また、親しい間柄で冗談を交えて「また先生がのたまってたよ」などと使うこともありますが、これは親しみや皮肉を込めた使い方です。
本来の意味や敬意を損なわないよう、使い方には注意しましょう。
のたまうの正しい使い方と注意点
「のたまう」は、目上の人や神仏など、極めて高い敬意を表したいときに使う言葉です。
そのため、カジュアルな会話やビジネスの場では基本的に避けるのが無難です。
特に、現代のビジネスマナーでは「おっしゃる」「仰せになる」など、より一般的な敬語表現を選ぶことをおすすめします。
また、「のたまう」を冗談や皮肉として使う場合は、相手との関係性や場の雰囲気をよく考慮しましょう。
不用意に使うと、相手に不快感を与える可能性もあるため、十分に注意が必要です。
のたまうと混同しやすい言葉との違い
「のたまう」は「言う」の尊敬語ですが、似たような意味を持つ他の敬語や古語と混同しやすいことがあります。
ここでは、具体的にどのような違いがあるのかを詳しく解説します。
「おっしゃる」との違い
「おっしゃる」は、「言う」の尊敬語として最も一般的に使われています。
あらゆるビジネスシーンや日常会話で使えるため、誰に対しても失礼にならない表現です。
一方、「のたまう」は最上級の尊敬表現であり、極めて限定的な状況でのみ使用されます。
現代日本語では「おっしゃる」を使うのが無難ですが、古典や格式を重んじる場面では「のたまう」が選ばれることがあります。
このように、使う場面や相手の格に応じて、適切な敬語を選ぶことが大切です。
「仰せになる」との違い
「仰せになる」も「言う」の尊敬語ですが、やや格式が高く、公式な場面や文書でよく使われます。
「のたまう」と比べると現代的な表現であり、式典や挨拶文などで見かけることが多いです。
「のたまう」はさらに古風で、文学的・伝統的なニュアンスが強くなります。
そのため、現代の公式なスピーチや文章では「仰せになる」を、伝統文化を表現する場合や文学の引用では「のたまう」を使い分けるのが適切です。
「申す」「申し上げる」との違い
「申す」「申し上げる」は「言う」の謙譲語であり、話し手が自分や自分側の立場をへりくだって伝える場合に使います。
「のたまう」とは正反対の立ち位置になりますので、混同しないように注意が必要です。
たとえば、「私はこう申します」と言うのは、自分の意見をへりくだって伝える表現です。
一方、「のたまう」は相手や第三者の格を高めて表現するため、敬意の方向が逆となります。
使い分けをしっかり理解しておくことで、正しい日本語を使いこなすことができます。
のたまうの使い方まとめ
「のたまう」は、古語に由来する「言う」の最上級の尊敬語です。
現代の日常会話やビジネスシーンではほとんど使いませんが、文学作品や伝統芸能、格式の高い場面で見かけることがあります。
「おっしゃる」「仰せになる」などと比べて、使う場面が極めて限定されるため、正しい意味や使い方を理解しておくことが大切です。
冗談で使う際にも、相手や状況に十分注意しましょう。
日本語の奥深さや表現の幅を知るうえで、「のたまう」を理解することは大きな財産となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意味 | 「言う」の最上級の尊敬語。高貴な人物や神仏が話す際に使う。 |
| 使う場面 | 古典文学、伝統芸能、格式ある式典、ユーモラスな表現時など。 |
| 現代での使用 | 日常会話やビジネスではほぼ使わない。特殊な場面でのみ使用。 |
| 類語 | おっしゃる、仰せになる(どちらも「言う」の尊敬語) |
| 謙譲語 | 申す、申し上げる(話し手が自分をへりくだる場合) |

