ビジネスシーンで頻繁に使われる「承諾いたします」という表現。
どんな場面で使うのが適切なのか、また「承知いたしました」との違いは何か、正しい使い方や注意点を知っておくことで、あなたのビジネスメールややり取りがよりスムーズに進みます。
今回は「承諾いたします」の意味や例文、類語、間違いやすいシチュエーションなどを詳しく解説します。
丁寧で正確なコミュニケーションを目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
承諾いたしますの意味と正しい使い方
「承諾いたします」は、ビジネスメールや取引先とのやり取りで使用される非常にフォーマルな表現です。
相手からの依頼や申し出に対して、正式に「受け入れます」「同意します」と伝える際に用いられます。
単に「分かりました」や「OKです」と返すよりも、より丁寧で礼儀正しい印象を与えます。
承諾いたしますの基本的な意味
「承諾いたします」とは、「承諾する」を謙譲語にした表現です。
「承諾」とは、申し出や依頼に対して正式に「受け入れる」「同意する」ことを意味します。
そのため、「承諾いたします」は「(相手の)ご依頼・ご提案を受け入れます」という、非常に丁寧な意思表示になります。
ビジネスの現場では、契約や各種申請、依頼事項への返答など、正式な場面でよく使われます。
「承諾いたします」は、相手の申し出や条件を十分に確認したうえで、正式に受け入れる際に使うべき表現です。
このため、軽いお願いや単純な連絡に対してはやや大げさになる場合があり、シチュエーションを見極めて使い分けることが大切です。
承諾いたしますの使い方と例文
「承諾いたします」は、メールや文書でのやり取りにおいて以下のように使われます。
例えば、取引条件の変更や新規の依頼事項など、相手からの正式な申し出や要望に対する返答として最適です。
例文:
・ご提案いただきました条件につきまして、承諾いたします。
・貴社からのご依頼、誠にありがとうございます。内容を確認し、承諾いたします。
・ご提示いただいたスケジュールを承諾いたしますので、よろしくお願いいたします。
上記のように、ビジネスメールで「承諾いたします」を使う場合は、相手への感謝や確認の一言を添えると、より丁寧な印象になります。
承諾いたしますと承知いたしましたの違い
「承諾いたします」と「承知いたしました」は、どちらも丁寧な表現ですが、意味や使うべきシーンが異なります。
「承知いたしました」は、相手の伝達事項や指示に「理解しました」「分かりました」と返答する時に使います。
一方で「承諾いたします」は、依頼や申し出に対して「正式に受け入れます」と返す時に使うため、より重みのある返答となります。
例えば、スケジュール調整や業務の進行確認には「承知いたしました」、新たな契約や条件の変更など「選択権がこちらにある場合」には「承諾いたします」を使うのが適切です。
この違いを押さえておくと、より正確で信頼感のあるやりとりができます。
ビジネスメールでの「承諾いたします」の活用例
ここでは、実際にビジネスメールなどで使える「承諾いたします」の例文や注意点を紹介します。
状況に応じたフレーズで、相手に誠実な印象を与えましょう。
取引先への返答例
取引先からの新しい条件提示や依頼に返答する場合、「承諾いたします」を使うことで、信頼感や誠実さを伝えることができます。
例文:
このたびご提示いただきました契約条件につきまして、慎重に検討の上、承諾いたします。
ご依頼の件、内容を確認し、承諾いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。
社内での上司・同僚への返答例
社内の上司や同僚から、新たな業務やプロジェクトについて依頼を受けた場合にも、「承諾いたします」を用いると、よりフォーマルな印象を与えます。
ただし、フランクな関係や日常的なやり取りではやや堅苦しくなるため、使いどころを選ぶことが大切です。
例文:
ご依頼いただきました資料作成の件、承諾いたします。
新たな担当業務について、承諾いたしますので、詳細ご指示いただけますと幸いです。
間違えやすい使用シーンと注意点
「承諾いたします」は、あくまで「正式に受け入れる」際に使う表現です。
そのため、単なる情報の伝達や、上司から指示を受けただけの場合には「承知いたしました」を使う方が自然です。
また、目上の方や取引先に対しては、「ご提案を承諾いたします」など、相手の行動に敬意を払うフレーズを添えると、より丁寧な印象になります。
一方的に「承諾いたします」とだけ返すと、機械的・冷たく感じられることもあるため、状況に応じて文面を工夫しましょう。
承諾いたしますの類語・言い換え表現
「承諾いたします」と同じような意味で使える表現や、場面に応じた適切な言い換えも覚えておくと役立ちます。
承知いたしました・了解いたしました
「承知いたしました」は、相手の伝達事項や指示に対して「分かりました」と返す表現です。
依頼や申し出の受け入れというより、「内容を把握した」意味合いが強いです。
「了解いたしました」も同様ですが、ややカジュアルな印象になるため、目上の方や取引先には「承知いたしました」や「承諾いたします」がより適切です。
お受けいたします・お引き受けいたします
「お受けいたします」や「お引き受けいたします」は、依頼や申し出に対して「引き受けます」「お受けします」と返す丁寧な表現です。
「承諾いたします」ほど堅苦しくなく、日常的な業務の受諾にも使いやすいと言えます。
例えば「ご依頼の件、お受けいたします」と表現すれば、柔らかく丁寧な印象を与えられます。
ご要望にお応えいたします
「ご要望にお応えいたします」は、相手の希望やリクエストに積極的に対応する意思を表す言い換え表現です。
ビジネスだけでなく、接客やサービス業などでもよく使われます。
「承諾いたします」よりも柔軟かつ親しみやすい印象を与えたい場合に適しています。
まとめ:承諾いたしますの正しい使い方を押さえよう
「承諾いたします」は、ビジネスシーンで相手の申し出や依頼を正式に受け入れる際の非常に丁寧な表現です。
「承知いたしました」や「お受けいたします」などとの違いや適切な使い分けを理解し、正しい場面で使うことが大切です。
状況や相手に合わせて表現を工夫し、誠実で信頼感のあるコミュニケーションを心がけましょう。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 意味 | 申し出・依頼を正式に受け入れる丁寧な表現 |
| 使い方 | 契約や依頼事項への正式な返答に使用 |
| 類語 | 承知いたしました、お受けいたします、ご要望にお応えいたします |
| 注意点 | 単なる情報の伝達や指示への返答には不向き |

