諸々承知いたしましたの意味と正しい使い方・ビジネスマナー徹底解説

「諸々承知いたしました」はビジネスメールや会話でよく使われる言葉です。
この記事では、その意味や使い方、注意点、類語との違いなどを詳しく解説します。
正しい使い方を身につけて、ワンランク上のビジネスマナーを目指しましょう。

目次

諸々承知いたしましたの意味と基礎知識

「諸々承知いたしました」は、さまざまな内容や事項をすべて理解し、納得しましたという意味で使われる表現です。
ビジネスシーンでは、複数の依頼や連絡事項、詳細が含まれる場合に「すべて把握しました」というニュアンスを込めて使用されます。

この言葉は、単なる「承知しました」よりも幅広い内容を受け止める柔軟性を持っている点が特徴です。
また、「諸々」は「もろもろ」と読み、複数の事柄・細かな点も含めるというニュアンスを表現します。

諸々承知いたしましたの意味を正確に理解しよう

「諸々承知いたしました」は、相手が伝えてきたさまざまな情報や要望、注意事項をすべて確認し、理解しましたという意思表示です。
「承知いたしました」だけだと一件のみへの返答にも使えますが、「諸々」をつけることで「複数の事項」や「細かな点」まで把握していることを強調できます。
ビジネスメールやチャットで、相手が複数の依頼や連絡をまとめて送ってきた場合などに適切です。
また、丁寧な敬語表現としても好まれるフレーズです。

「もろもろ」は日常会話でも使われる言葉ですが、ビジネスの場では「諸々」と漢字で書くことでフォーマルな印象を与えます。
相手に安心感や信頼感を与えたい場面で積極的に使える表現です。

ビジネスメールでの使い方と具体例

ビジネスメールでは、「諸々承知いたしました」はとても頻繁に登場します。
たとえば、上司や取引先から複数の連絡・依頼事項が届いたときに、「ご連絡いただきました内容、諸々承知いたしました」と返すのが代表的な使い方です。
このフレーズを使うことで、細かな点までしっかり理解しているという誠実な姿勢を示せます。

また、やり取りが長くなりがちな案件や複数人でのやりとりが発生している場合にも便利です。
以下に具体的な使用例を紹介します。

シーン 使用例
プロジェクトの進捗連絡 ご連絡いただきました各種内容、諸々承知いたしました。
複数のタスク依頼 諸々承知いたしました。順次対応いたします。
会議後のまとめメール 本日の議題につきまして、諸々承知いたしました。

「諸々承知いたしました」と「承知いたしました」の違い

「諸々承知いたしました」と「承知いたしました」は似た表現ですが、ニュアンスが異なります。
「承知いたしました」は一つの事項や指示に対して使うのが一般的ですが、「諸々承知いたしました」では、複数の事項や依頼、詳細な内容をすべて理解し把握したという広い意味合いを持ちます。

たとえば、相手から一つの指示のみを受けた場合は「承知いたしました」で十分ですが、複数の資料やタスク、注意点が含まれている場合は「諸々」を加えることで、より的確に対応できていることを伝えられます。
この違いを理解し、状況に応じて使い分けることがビジネスコミュニケーションでは重要です。

正しい敬語表現と注意点

「諸々承知いたしました」は丁寧な敬語表現ですが、使い方を誤ると失礼になる可能性もあるため注意が必要です。
ここからは、正しい敬語の使い方や、避けたい表現について詳しく解説します。

敬語としての使い方とその理由

「承知いたしました」は「承知する」の謙譲語「承知いたす」に丁寧語の「ます」をつけた形です。
「諸々」は名詞であり、これを組み合わせることで「さまざまな事項を謹んで理解しました」という敬意を伝えます。
ビジネスメールや上司、取引先への返信で用いることで、相手への敬意と慎重な姿勢を表現できます。

ただし、対等な同僚やカジュアルな場面ではやや堅苦しく感じられることもあるため、TPOに応じて使い分けましょう。
また、社外・目上の方に対しては「かしこまりました」など、よりフォーマルな表現を用いる場合もあります。

誤用例とその改善方法

「諸々承知しました」とする人もいますが、「いたしました」をつけることで丁寧な敬語となるため、ビジネスでは「諸々承知いたしました」を使うのが正解です。
また、「もろもろ承知いたしました」とひらがなで書いてしまうと、ややカジュアルな印象になりますので、漢字で「諸々」と表記しましょう。

さらに、メールの冒頭でいきなり「諸々承知いたしました」とだけ記載するのは不親切です。
何について承知したのかを明確に書くことで、より丁寧かつ誤解のないやりとりが可能になります。

誤用例 改善例
もろもろ承知しました。 諸々承知いたしました。
諸々承知しました。 ご連絡いただいた内容、諸々承知いたしました。
諸々承知いたしました。(本文のみ) ご指示いただきました点、諸々承知いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。

相手や場面に応じた使い分けのポイント

「諸々承知いたしました」は便利な表現ですが、相手やシーンによっては他の言い回しを選ぶことも大切です。
たとえば、特に重要な事項や、今後の対応に関わる場合は、「ご指示の内容、全て確認いたしました」や「各事項、承知いたしました。順次対応いたします」など、より具体的に書くことで誤解やミスを防げます。

また、社内外でフォーマルな印象を与えたい場合には「諸々承知いたしました」が最適ですが、親しい間柄やカジュアルなやりとりでは「了解しました」や「分かりました」など、より柔らかい表現も適切です。
場面や相手の立場に合わせて言葉を選びましょう。

「諸々承知いたしました」の類語・言い換え表現

「諸々承知いたしました」には、似た意味の表現や言い換え表現がいくつかあります。
ニュアンスやフォーマル度合いに合わせて使い分けることで、より円滑なコミュニケーションが可能です。

よく使われる類語と使い分け

「諸々承知いたしました」と同じような意味で使える類語は、「全て承知いたしました」「各事項承知いたしました」「ご指示内容、全て確認いたしました」などがあります。
これらは、「もれなく把握した」「細部まで理解した」という印象を強調したい場合に有効です。
特に、重要な案件や情報が多い場合には「全て」「各事項」などを使うことで、より明確かつ丁寧な印象を与えられます。

また、「かしこまりました」「了解いたしました」も似た意味ですが、ややカジュアルだったり、上司や取引先などには控えた方が良いケースもあるため注意しましょう。
丁寧さやフォーマルさ、相手との関係性に応じて適切な表現を使い分けることが大切です。

類語・言い換え表現 使用シーン例
全て承知いたしました 取引先から複数の依頼を受けたとき
各事項承知いたしました 会議の議事録や議題の確認時
ご指示内容、全て確認いたしました 上司から細かな指示を受けたとき
かしこまりました 目上の方やフォーマルな場面
了解いたしました 同僚や親しい相手とのやりとり

言い換え表現を使う際の注意点

言い換え表現を使う際は、相手や状況に合わせて言葉を選ぶことが重要です。
たとえば、社内のカジュアルなやりとりでは「了解しました」で十分ですが、社外やフォーマルな場面では「承知いたしました」や「かしこまりました」を使うと安心です。

また、「全て」「各事項」などを加えることで、複数の内容をしっかり確認したことを強調できます。
ただし、あまりに堅苦しくなりすぎると、かえって不自然な印象を与えることもあるため、自然な文脈で使うことが大切です。

言い換えパターンとその応用例

「諸々承知いたしました」を他の表現に言い換えることで、文章にバリエーションを持たせることができます。
たとえば、「ご案内いただきました内容、全て確認いたしました」「ご提示いただいた各事項、承知いたしました」など、相手が伝えてきた内容を具体的に記載することで、より丁寧な印象を与えられます。

また、「順次対応いたします」「改めてご連絡いたします」など、次のアクションを添えると、相手への配慮がさらに伝わります。
メールやチャットの文末に自然に組み込んで、信頼されるコミュニケーションを意識しましょう。

まとめ

「諸々承知いたしました」は、ビジネスシーンで幅広く使える便利かつ丁寧な表現です。
複数の内容や細かな点まで確認・理解したことを伝えることで、相手に誠実さや安心感を与えます。

状況や相手に応じて、類語や言い換え表現を使い分けることも大切です。
適切な敬語とマナーを心がけて、気持ちの良いビジネスコミュニケーションを築きましょう。

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