「拝見しております」は、ビジネスメールや日常のやりとりでよく見かける表現ですね。
この記事では、拝見しておりますの意味や使い方、間違いやすいポイントや例文を詳しく解説します。
敬語としての正しい使い方を知り、相手に好印象を与えるメールや会話を目指しましょう!
拝見しておりますとは?意味とニュアンス
「拝見しております」は「見る」の謙譲語「拝見する」と、丁寧な進行形「〜しております」を組み合わせた表現です。
ビジネスメールやチャット、報告などで「相手のメール・資料・書類などを今見ている・すでに見ている」と伝えるときに使われます。
自分が相手の何かを見ていることを、へりくだって丁寧に伝える表現なので、目上の人への報告や返信に最適です。
また、「拝見させていただいております」のような表現も見かけますが、これは二重敬語となるため注意が必要です。
「拝見」とは「見る」の謙譲語で、相手の言動や物に対して自分がそれを見ていることを、へりくだって伝えます。
「しております」は「しています」よりも丁寧な言い回しで、現在進行形や継続しているニュアンスを与えます。
拝見しておりますの使い方:正しい敬語表現
「拝見しております」は、主にビジネスメールやビジネスチャットで、相手の資料やメールを確認していることを丁寧に伝える言い方です。
例えば、上司や取引先から資料が送られてきた際、「資料、拝見しております」と返信すれば、相手への敬意を込めて「資料を確認しています」と伝えられます。
また、「メール、確かに拝見しております」や「ご連絡、拝見しております」など、相手の行動や送付物に対して使うのがポイントです。
なお、「拝見しております」は自分の行動に使う謙譲語のため、相手の行動や物に対しては使いません。
間違いやすい!拝見しておりますと似た表現との違い
「拝見しております」と似た表現で、「拝見させていただいております」や「ご覧になっています」などがあります。
「拝見させていただいております」は一見丁寧に見えますが、「拝見」はすでに謙譲語なのに「させていただく」を重ねているため二重敬語となり、正しい日本語ではありません。
一方、「ご覧になっています」は「見る」の尊敬語であり、自分ではなく相手の行動に対して使う表現です。
「拝見しております」は、あくまでも自分が相手のものを見ていることをへりくだって伝える場合に使います。
拝見しておりますを使ったメール例文
ビジネスメールで「拝見しております」を自然に使うには、どのような文章にすれば良いのでしょうか。
典型的な例文をいくつか紹介します。
・「ご送付いただいた資料、拝見しております。」
・「先ほどのメール、拝見しております。後ほど改めてご連絡いたします。」
・「ご案内いただきありがとうございました。内容、拝見しております。」
いずれも、相手に敬意を払いながら、確認の意志を伝える表現として便利です。
拝見しておりますの注意点とよくある誤用
いくら丁寧な表現でも、間違った使い方をしては逆効果になることも。
ここでは「拝見しております」を使う上での注意点や、よくある誤用についてまとめます。
拝見しておりますは何にでも使える?使っていい場面・NGな場面
「拝見しております」は、主に「資料」「メール」「連絡」「書類」など、見ることに関する対象に使います。
「拝見する」は「見る」の謙譲語なので、読んだ・見た・確認したというニュアンスで使用できます。
一方で、「ご意見を拝見しております」など、抽象的すぎるものや、動作の対象が不明確な場合には不自然になります。
また、相手の行動や状態には使えません。
「拝見させていただいております」は正しい?二重敬語に注意
「拝見しております」は、すでに「見る」の謙譲語「拝見」と丁寧な進行形「しております」を組み合わせているため、十分な敬語表現です。
「拝見させていただいております」や「拝見させていただきました」は、謙譲語+謙譲語の二重敬語であり、公式なビジネスシーンでは避けるのが正解です。
もし、より丁寧に伝えたい場合は、「拝見いたしました」や「拝見しております。ありがとうございます」など、気持ちを添える形で表現すると良いでしょう。
「拝見しております」を使う際のポイントとコツ
「拝見しております」は、相手の資料やメールを確認している・読んでいることをビジネスで伝える際に大変便利です。
一方、使いすぎたり、状況に合わない場合に多用すると、形式的・機械的な印象を与えることもあります。
例えば、何度も同じやりとりを繰り返している場合や、他の表現と組み合わせた方が良い場合には、「確認しております」「承知いたしました」などのバリエーションも使い分けましょう。
拝見しておりますの類語・言い換え表現
「拝見しております」と同じ意味合いで使える表現には、いくつかの言い換え表現があります。
TPOに応じて使い分けることで、より円滑なコミュニケーションが可能です。
「確認しております」との違いと使い分け
「確認しております」は、「状況を調べて確かめている」というニュアンスが強く、必ずしも「見る」だけでなく、内容の正誤や進行状況をチェックする意味も含みます。
一方、「拝見しております」は「見る」行為自体を謙譲語で表現するため、「内容を読んでいる」「目を通している」といった意味合いになります。
ビジネスシーンでは、「資料を拝見しております」「進捗を確認しております」といったように、対象やシーンごとに使い分けるのがポイントです。
「承知いたしました」との違い
「承知いたしました」は、相手の連絡や依頼内容を「理解しました」「受け取りました」という意味で使う表現です。
「拝見しております」は「見ている」最中や「見終わった」ことを伝えるものなので、両者は意味が異なります。
例えば、「資料、拝見しております」→「内容、承知いたしました」など、状況に合わせて組み合わせるとスムーズです。
「読ませていただいております」との違い
「読ませていただいております」も謙譲語ですが、「読む」という動作に特化した表現です。
「拝見しております」は「見る」「読む」両方の意味で使えますが、「読ませていただいております」は文章や手紙、メールの内容を丁寧に読んでいる時にピッタリです。
つまり、資料や画像→「拝見しております」、文章や報告書→「読ませていただいております」と、対象物によって使い分けると良いでしょう。
拝見しておりますの正しい使い方まとめ
「拝見しております」は、ビジネスメールやチャットで、相手の資料やメールを確認していることを謙譲語で丁寧に伝える表現です。
使う際は、二重敬語や対象を間違えないよう注意し、場面に応じて「確認しております」「承知いたしました」などの類語も使い分けるとよりスマートです。
敬意を持ったやりとりで、信頼感や好印象を与えましょう!
| 表現 | 意味・用途 | 使用例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 拝見しております | 相手の資料やメールを丁寧に「見ている」ことを伝える謙譲語 | 「資料、拝見しております」 | 自分の行動にのみ使用。二重敬語に注意 |
| 確認しております | 内容や状況を「確かめている」「調べている」ことを伝える | 「進捗を確認しております」 | 「見る」だけでなく調査・確認の意を含む |
| 承知いたしました | 相手の伝達事項を「理解した」「受け取った」と伝える | 「内容、承知いたしました」 | 「見る」行為には使わない |
| 読ませていただいております | 文章や手紙を丁寧に「読んでいる」ことを伝える謙譲語 | 「報告書、読ませていただいております」 | 文章など読む対象に限定される |

