「ご報告申し上げます」はビジネスメールや社内外の正式な場面で頻繁に使われる表現です。
今回はこの言葉の意味や用法、注意点、例文などをたっぷりと解説します。
ビジネスシーンで恥をかかないためにも、正しい使い方をマスターしていきましょう!
ちょっとしたニュアンスの違いや使い分けもこれでバッチリです。
ご報告申し上げますとは?意味と基本的な使い方
「ご報告申し上げます」は、報告という行為をより丁寧に、かつ謙譲語として表現したフレーズです。
特に目上の方や取引先、上司などに対して使う、非常にフォーマルな言い回しです。
ビジネスメールや会議、公式文書など、かしこまった場で「お知らせいたします」「ご連絡いたします」よりも一段格上の丁寧さを出したい場合に使われます。
「ご報告」は、単なる報告よりも相手に敬意を表しつつ丁寧に伝える言葉であり、「申し上げます」を付け加えることで、さらにへりくだった謙譲語となります。
この言葉は「ご報告いたします」との違いを問われることも多いですが、よりフォーマルかつ敬意の高い表現が「ご報告申し上げます」です。
ビジネスマナーを守りたいとき、失礼のないやり取りが必要なときにはこの表現が最適です。
使うべきシーンと適切な相手
「ご報告申し上げます」は、重要な報告や公式な連絡をする際に適しています。
たとえば、業務の進捗報告、成果発表、異動や退職のご挨拶、プロジェクト完了時の連絡などが該当します。
また、社内だけでなく社外のお客様や取引先、上司、役員、株主など、目上の相手に使うのが一般的です。
カジュアルなやり取りや親しい同僚との会話では、やや堅すぎる印象になるため避けましょう。
また、「ご報告申し上げます」は書き言葉としてよく使われます。
口頭では「ご報告いたします」と言い換える場面も少なくありません。
しかし、公式な場や書面ではこの表現が最も無難で丁寧です。
「ご報告申し上げます」と「ご報告いたします」の違い
「ご報告申し上げます」と「ご報告いたします」はどちらも丁寧な表現ですが、敬語の強さに違いがあります。
「申し上げます」は謙譲語で、より自分をへりくだり、相手への敬意を強調します。
一方、「いたします」は丁寧語で、ややカジュアルな印象です。
そのため、より格式張った場面や、特に丁寧な表現が求められる相手には「ご報告申し上げます」を選びましょう。
たとえば、社内での定例報告や上司宛のメールでは「ご報告いたします」でも十分ですが、
取引先や上層部、役員、株主などには「ご報告申し上げます」の方がより安心です。
「ご報告申し上げます」の使い方・例文集
ここからは実際のビジネスシーンで使える「ご報告申し上げます」の例文をいくつか紹介します。
どの場面でどんな風に使うのが効果的か、ぜひ参考にしてください。
【例文1】案件の進捗報告
「このたび、プロジェクトAの進捗についてご報告申し上げます。」
【例文2】成果報告
「先日実施いたしましたキャンペーンの結果について、ここにご報告申し上げます。」
【例文3】異動・退職の挨拶
「私ごとではございますが、このたび人事異動により異動することとなりましたので、ご報告申し上げます。」
このように、冒頭の挨拶やタイトル、メール件名などでもよく使われます。
文章の中で使う際は、「このたび」や「ここに」などの前置きを加えることで、より柔らかく自然な印象になります。
「ご報告申し上げます」を使う際の注意点
丁寧すぎて逆に違和感を与えないよう、使いどころには注意が必要です。
また、誤用を避け、よりスムーズなコミュニケーションを目指しましょう。
敬語の重複・二重敬語に注意
「ご報告申し上げます」はすでに十分な敬語表現になっているため、
さらに「ご報告をさせていただきます申し上げます」や「ご報告を申し上げさせていただきます」などと重ねてしまうと、二重敬語となり不自然です。
敬語は適切なレベルで使いましょう。
また、他の敬語表現と混在させる際も、文章が冗長にならないよう注意が必要です。
「ご報告申し上げますので、よろしくお願いいたします。」などは問題ありませんが、
「ご報告申し上げますさせていただきます」は誤りです。
カジュアルな場面には不向き
「ご報告申し上げます」は非常にかしこまった表現ですので、
仲間内や親しい同僚、部下とのやり取り、日常会話ではやや堅苦しくなります。
よりフラットな関係性の場合は「ご報告いたします」や「お知らせします」などで十分です。
また、メールの冒頭でいきなり使うと突き放したような印象を与える場合もあるため、
「いつもお世話になっております」などのクッション言葉を添えると、より丁寧で優しい印象になります。
正しい使い方で信頼感アップ
「ご報告申し上げます」を正しいタイミングで使うことで、ビジネスマナーや誠実さをアピールできます。
報告内容が曖昧だったり、敬語を間違えていたりすると、かえって信頼を損ねかねません。
社内外問わず、フォーマルな文書・メールではこの表現を積極的に活用しましょう。
また、不明点や質問があれば「ご質問がございましたらお知らせいただけますと幸いです」など、次のアクションにつなげるフレーズを添えるのもおすすめです。
「ご報告申し上げます」の類語・関連表現
似たような場面で使える表現や、ニュアンスの違いについても押さえておきましょう。
表現の幅を広げることで、より柔軟なビジネスコミュニケーションが可能になります。
「ご連絡申し上げます」「お知らせ申し上げます」
「ご連絡申し上げます」「お知らせ申し上げます」は、ご報告申し上げますの類語として覚えておくと便利です。
「ご報告」はやや重めで正式な響きがあり、
「ご連絡」「お知らせ」はもう少し軽やかで一般的な通知にも使えます。
内容の重要度や相手との関係性に応じて使い分けると良いでしょう。
例えば、ちょっとした事務連絡や日常的なやり取りの場合は「ご連絡申し上げます」。
決定事項や正式な内容であれば「ご報告申し上げます」が適しています。
「ご報告させていただきます」の違い
「ご報告させていただきます」はよく見かける表現ですが、
厳密には「ご報告」+「させていただく」という二重敬語になりやすく注意が必要です。
謙譲語の過剰な重ねがちで、相手によっては不自然に感じられることも。
フォーマルな場では「ご報告申し上げます」、
やや柔らかくしたい場合は「ご報告いたします」など、
相手やシチュエーションに合わせて使い分けるのが理想的です。
「ご報告申し上げます」の英語表現
ビジネス英語でこのニュアンスを伝えたい場合、
「I would like to report」「I hereby report」などが該当します。
しかし、日本語ほど敬語の段階的な違いが明確でないため、
丁寧なメールの場合は「I would like to inform you」などを使うのが一般的です。
海外とのやり取りでは、日本語独特の敬語表現をそのまま直訳するのではなく、
相手の文化やビジネスマナーに合わせた表現を選ぶことが大切です。
まとめ:ご報告申し上げますの正しい使い方をマスターしよう!
「ご報告申し上げます」は、ビジネスの現場で信頼感や敬意を伝えるために欠かせない表現です。
フォーマルな場面では積極的に活用し、適切な敬語レベルで誠実なコミュニケーションを心がけましょう。
使い方のポイントや例文、類語との違いを押さえておくことで、
どんな相手やシーンでも迷わず対応できるようになります。
今日からは自信を持って「ご報告申し上げます」を使いこなしてください!
| 表現 | 敬語レベル | 主な使い方 |
|---|---|---|
| ご報告申し上げます | 最高(謙譲語) | 公式な文書・社外・目上の相手 |
| ご報告いたします | 高(丁寧語) | 社内・上司・一般的なビジネス |
| ご連絡申し上げます | 高(謙譲語) | 通知や連絡、少し柔らかい報告 |
| お知らせ申し上げます | 高(謙譲語) | 一般的な案内・通知 |

