ビジネスシーンで時折耳にする「委細承知」。この言葉の正しい意味や使い方を知っているでしょうか?
この記事では「委細承知」の意味や使い方、類語や言い換え表現まで、わかりやすくご紹介します。
フォーマルな場面で使える便利な敬語表現をマスターして、あなたのコミュニケーションスキルをさらに磨きましょう!
委細承知の意味
「委細承知」は、主にビジネスやフォーマルな場面で用いられる日本語表現です。
「委細」とは「細かい事柄」という意味で、「承知」は「理解して受け入れること」を指します。
つまり、「委細承知」とは「細かいことまで全て理解し承知しております」という、丁寧かつ謙虚なニュアンスを持ったフレーズです。
この言葉を使うことで、相手に対して「あなたの指示や要望を細部までしっかり理解しました」と誠実に伝えることができます。
例えば、上司や取引先から複数の指示事項を受け取ったとき、「委細承知いたしました」と返答すれば、
「細かな内容まできちんと理解し、承りました」と丁寧に意思表示ができるのです。
委細承知の語源や成り立ち
「委細」は「委(ゆだ)ねる」と「細(こまかい)」の組み合わせからできており、
「細かい部分まで委ねられた事柄」を指します。
「承知」は「承る(うけたまわる)」と同じく、相手の話や要望を理解して受け入れる意味です。
この二つが合わさることで、「どんな細かなことでも承知しています」というニュアンスが生まれます。
古くから公的文書やビジネス文書、または堅い口語表現として使われてきました。
現代でも、特にビジネスメールや公式な場面で重宝される表現です。
委細承知の使い方と例文
「委細承知」は、主にメールや口頭での返答時に使われます。
最も一般的な形は「委細承知いたしました」です。
この表現を使う際は、相手に対して敬意を持っていることを前提にしましょう。
例文としては、「ご指示いただきました件、委細承知いたしました。」
「ご依頼の内容、委細承知の上、対応いたします。」
などのように用いられます。
「承知」は「いたしました」とセットで使うとより丁寧さが増します。
委細承知と似た言葉・類語
「委細承知」と似た意味を持つ言葉には、「承知しました」「かしこまりました」「了解しました」などがあります。
しかし、「委細承知」は細かな点まで理解していることを強調するため、
より丁寧でフォーマルな印象を与えます。
「かしこまりました」は目上の人に対する最上級の敬語表現ですが、
細部までの理解を強調したい場合は「委細承知」を使うことで、より誠実さを演出できます。
状況や相手に合わせて言葉を使い分けることで、信頼感のあるコミュニケーションが図れます。
ビジネスシーンでの委細承知の正しい使い方
ビジネス現場で「委細承知」を使いこなすには、タイミングや相手への配慮が大切です。
細かな配慮ができる人という好印象を与えるためのポイントを整理しましょう。
メールでの委細承知の使い方
ビジネスメールでは、「委細承知いたしました」は非常にフォーマルな印象を与えます。
例えば、上司や取引先から複数の細かい要望や依頼事項が記載された場合に、
「ご指示いただきました内容、委細承知いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。」
といった形で使うと、誠実さと丁寧さを表現できます。
また、「委細承知のうえ、速やかに対応いたします」や、
「詳細につきましても、委細承知しております」など、さらに一歩踏み込んだ文章にすることで、
細部への気配りや積極的な姿勢をアピールできます。
口頭での委細承知の使い方
会議や電話応対など、口頭で「委細承知」を使いたい場合は、
やや硬い表現となるため、TPO(時と場合)を見極めて使いましょう。
例えば「ご指示の件、委細承知いたしました」と伝えると、
相手に対して信頼感や安心感を与えることができます。
ただし、日常的な業務連絡やフランクな会話には堅すぎる印象になってしまうこともあるため、
状況に応じて「承知しました」「かしこまりました」など、
より柔らかい表現を使い分けることが大切です。
委細承知が適しているシーン・注意点
「委細承知」は、特に上司や顧客、外部取引先など、目上の相手に対して使うことで、
相手の意向をしっかり理解し、信頼関係を築きたいときに効果を発揮します。
逆に、同僚や部下、カジュアルなやりとりでは堅苦しく感じられることがあるため、
シーンを選んで使うことがポイントとなります。
また、「委細承知」は一度使うと「細部まで理解している」ことが前提となるため、
もし不明点や確認事項がある場合は、事前によく内容を把握してから使うことが重要です。
間違って使うと、あとで「委細承知と言ったのに」と信頼を損なう恐れもあるので注意しましょう。
委細承知の類語・言い換え表現
「委細承知」には、似た意味を持つ言葉や言い換え表現がいくつか存在します。
それぞれの違いや適切な使い分けを知っておくと、より表現の幅が広がります。
「承知しました」との違い
「承知しました」は、「理解しました」「わかりました」という意味の丁寧な表現ですが、
「委細承知」と比べると「細かい点まで理解した」という強調はありません。
一般的なやりとりや日常的なビジネスメールでは「承知しました」が多く使われます。
一方、「委細承知」は「細部まで把握しています」というニュアンスが加わるため、
よりフォーマルかつ丁寧な印象を与えたいときに適しています。
「かしこまりました」との違い
「かしこまりました」は、「承知しました」よりさらに丁寧な敬語で、
目上の人や顧客に対してよく使われます。
ただし、こちらも「委細承知」とは異なり、
「細かい内容まできちんと理解した」というニュアンスは含まれていません。
「委細承知」は、特に複数の指示や詳細な依頼事項がある場合に使うことで、
より細やかな配慮を伝えることができるのが特徴です。
「了解しました」との違い
「了解しました」は、目上の人にはあまり使わないほうがよい言葉です。
「了解」は同等または目下の人に向けて使うのが一般的なマナーです。
「委細承知」とは敬語のレベルが異なり、ビジネスでは「委細承知」や「承知しました」「かしこまりました」を使うのが無難です。
TPOに合わせて適切な表現を選ぶことが、社会人としての信頼を高めるポイントとなります。
| 表現 | 意味・ニュアンス | 主な使用シーン |
|---|---|---|
| 委細承知 | 細かい事柄まで全て承知している | フォーマルなビジネスメールや公式な場面 |
| 承知しました | 理解しました、わかりました | 一般的な業務連絡やビジネスメール |
| かしこまりました | 大変丁寧な敬語、目上の人向け | 顧客対応や上司への返答 |
| 了解しました | 了解、わかった(ややカジュアル) | 同僚や部下、カジュアルなやりとり |
まとめ
「委細承知」は、細かな事柄まで全て理解し承知していることを伝える、とても丁寧なビジネス敬語表現です。
特に上司や取引先など目上の相手に対して、細部にわたる配慮や誠実さを示したいときに最適です。
使う際は、内容を十分に理解し、本当に細かな点まで承知できている場合にのみ用いるように気をつけましょう。
シーンや相手に合わせて「承知しました」「かしこまりました」などと使い分けることで、
より信頼されるビジネスパーソンを目指せます。
「委細承知」を上手に使いこなして、ワンランク上のコミュニケーションを実現してください!

