拝聴させていただくの意味と正しい使い方・敬語表現徹底解説

「拝聴させていただく」は、ビジネスメールや会話でよく耳にする表現ですが、正しい使い方を知っていますか?
この記事では、「拝聴させていただく」の意味や使い方、注意点、類語との違いなど、知っておくと役立つポイントをわかりやすくご紹介します。

目次

拝聴させていただくとは?意味と基本を解説

「拝聴させていただく」は、相手の話を謹んで聞くという謙譲語表現です。
主にビジネスシーンやフォーマルな場で使われますが、正しい使い方を押さえておかないと、かえって失礼になる場合もあります。
ここではまず、その成り立ちや意味、使われ方についてご紹介します。

拝聴させていただくの言葉の成り立ちと意味

「拝聴」は「謹んで聞く」という意味の謙譲語です。
「させていただく」は「行為をすることの許可をいただく」という意味の表現です。
そのため、「拝聴させていただく」は「相手の話を謹んで聞くことを許可していただく」という、極めて丁寧な敬語表現となります。
ビジネス文書やフォーマルな挨拶で用いられることが多く、相手に敬意を示したい場面で使うと良いでしょう。

この表現は、目上の相手や取引先、セミナー講師などに対して「あなたのお話をしっかりと聞かせていただきます」と丁寧に伝えたいときに適しています。
ただし、敬語としてはやや重複した表現とも取られるため、注意も必要です。

拝聴させていただくの使い方と例文

「拝聴させていただく」は、話の冒頭や事前の案内、または話の内容を聞く姿勢を示すときに使います。
たとえば、会議やセミナー、講演会などで「本日は貴重なお話を拝聴させていただきます」と述べることで、相手への敬意や謙遜の気持ちが伝わります。

【例文】
・「本日は貴重なご講演を拝聴させていただき、誠にありがとうございました。」
・「今後ともご意見を拝聴させていただければ幸いです。」
・「先生のご指導を拝聴させていただく機会を楽しみにしております。」
このように、フォーマルなやり取りや改まった場面で活用されます。

拝聴させていただくの注意点と間違いやすいポイント

「拝聴させていただく」は謙譲語と「させていただく」が重なっているため、二重敬語と指摘されることがあります。
厳密には「拝聴いたします」「拝聴します」と言うだけで十分丁寧な表現です。
より自然な表現を心がける場合は、相手や場の格式に応じて使い分けることが大切です。

また、日常会話やカジュアルなシーンで使うと堅苦しくなりすぎてしまうため、TPOをわきまえた使い分けも重要です。
「拝聴させていただく」がふさわしい場面かどうか、しっかり判断して使うようにしましょう。

拝聴させていただくの類語・言い換え・違いを解説

「拝聴させていただく」と似た意味や使い方を持つ表現も数多くあります。
ここでは主な類語や、違い、使い分けのポイントを解説します。

拝聴いたします/拝聴しますとの違い

「拝聴いたします」「拝聴します」は、「拝聴させていただく」よりもシンプルな謙譲語表現です。
重複敬語にならず、違和感なく使えるため、ビジネスメールや口頭でのやり取りにおすすめです。
フォーマルな中でもカジュアル度がやや高く、幅広いシーンで使えます。

【例文】
・「本日はご講演を拝聴いたします。」
・「ご意見を拝聴します。」
より簡潔に、かつ失礼のない敬語を使いたい場合に便利です。

伺う/お聞きするとの違い

「伺う」や「お聞きする」も謙譲語ですが、「拝聴」よりもやや控えめな敬意を示す表現です。
特に「伺う」は、質問や意見を求めるときに多く使われます。
「お聞きする」は、日常的なやり取りでも丁寧な響きを与えるので、ビジネスメールや会話で使いやすい表現です。

【例文】
・「ご意見を伺いたく存じます。」
・「ご説明をお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。」
「拝聴」よりも親しみやすい印象を与えます。

ご高説を賜る/ご意見を頂戴するとの違い

「ご高説を賜る」「ご意見を頂戴する」は、相手の意見や考えを尊重し、受け入れる姿勢を強調した表現です。
特に、目上の方や専門家、講師などに対して使うと、より一層敬意が伝わります。

【例文】
・「先生のご高説を賜り、感謝申し上げます。」
・「貴重なご意見を頂戴できれば幸いです。」
よりフォーマルで格式の高い場面に適しています。

拝聴させていただくの正しい使い方とNG例

ビジネスシーンで実際に「拝聴させていただく」を使う際のポイントや、
避けたいNG例を具体的に解説します。

ビジネスメールや会話での活用法

ビジネスメールの挨拶文や会話で「拝聴させていただく」を使う場合、相手への敬意を最大限に示す意図があることを明確にしましょう。
たとえば、「ご相談内容を拝聴させていただきます」「ご講演を拝聴させていただく予定です」など、前向きに相手の話を聞く姿勢を表現します。

ただし、あまりに多用すると堅苦しくなりすぎる場合もあるため、場面や相手に合わせて使い分けることが大切です。
必要に応じて「拝聴いたします」や「お聞きします」などに言い換えても良いでしょう。

NG例・間違えやすい使い方

「拝聴させていただく」は敬語の重複となりやすく、過剰敬語として受け取られることがあります。
たとえば、「ご意見を拝聴させていただかせていただきます」などは、明らかな誤用です。
また、カジュアルな会話や友人同士、社内のフランクなやり取りでは不自然になるため、状況に応じて使い分ける意識が必要です。

迷った場合は「拝聴いたします」または「お聞きします」など、
シンプルな敬語表現を選ぶのが無難です。

より自然で失礼のない表現にするには

相手や場面に合わせて敬語を調整し、TPOを意識した言い回しにすることが重要です。
たとえば、あらたまったフォーマルな場面では「拝聴させていただきます」を使い、
カジュアルな会話や内輪のやり取りでは「お話をお聞きします」や「ご意見を伺います」など柔らかい表現にするのがおすすめです。

また、相手に対して敬意や感謝の気持ちを伝える一言を添えることで、
より好印象を与えることができます。

拝聴させていただくのまとめ

「拝聴させていただく」は、相手の話を謹んで聞くという強い敬意を示す謙譲語表現です。
ビジネスやフォーマルな場面で適切に使うことで、相手への配慮や礼儀をしっかり伝えることができます。
ただし、二重敬語や過剰敬語とならないよう注意し、必要に応じて類語や言い換え表現も活用してください。
TPOに合わせて自然な敬語表現を使いこなすことで、円滑なコミュニケーションが実現します。

表現 意味・特徴 使い方
拝聴させていただく 極めて丁寧な謙譲語。相手の話を謹んで聞く。 フォーマルな場面、講演や会議など。
拝聴いたします
拝聴します
シンプルな謙譲語。丁寧だが重複敬語にならない。 一般的なビジネスメールや会話。
伺う
お聞きする
やや控えめな謙譲語。親しみやすい。 日常会話、ビジネスシーン全般。
ご高説を賜る
ご意見を頂戴する
より格式が高い表現。 公式な挨拶や目上の方への発言。

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