お取引先様各位の正しい使い方と例文|意味や宛名・敬語表現を徹底解説

ビジネスメールや文書でよく目にする「お取引先様各位」。正しい意味や使い方、宛名の書き方を知らないまま使っていませんか?
この記事では、お取引先様各位の基本から、正しい敬語表現、例文、注意点まで詳しく解説します。
初めての方も、改めて確認したい方も、これを読めばビジネス文書で自信を持って使いこなせるようになります。

目次

お取引先様各位とは?意味や使い方を理解しよう

ビジネスシーンで頻繁に使われる「お取引先様各位」。
まずはその意味や使う場面を正しく理解しましょう。

お取引先様各位の意味と読み方

「お取引先様各位」は「おとりひきさきさま かくい」と読みます。
「お取引先様」はビジネス上で取引のある会社や担当者を丁寧に表現した言葉です。
「各位」は「みなさま」や「皆様方」を意味し、複数の相手に一斉に呼びかける際の敬称です。
つまり、「お取引先様各位」は取引先すべての担当者に向けて丁重に宛てる表現となります。
個人名を特定しない、会社や部門全体への案内文・通知でよく使われます。

使う場面や文書の種類

「お取引先様各位」は、重要なお知らせ、通知書、案内状、年末年始や夏季休業のお知らせ、取引条件の変更連絡など、
複数の取引先に同じ内容を知らせる場合に多用されます。
社外向けの正式な文書やメールの宛名(冒頭やタイトル部分)として使われることがほとんどです。
一方、個別に特定の担当者や会社宛に送る場合は、「お取引先様 各位」ではなく個人名や会社名を用いるのが適切です。

使い方の注意点とよくある間違い

「お取引先様各位」はあくまで複数の取引先に向けた表現なので、1社だけに送る場合には使わないことが原則です。
また、「お取引先各位」や「取引先様各位」などと表記されることもありますが、「お取引先様各位」が最も丁重で無難です。
「各位」という言葉自体に十分な敬意が含まれるため、「お取引先様 各位様」などと重ねて敬称をつけるのは過剰表現となるので避けましょう。

お取引先様各位の正しい書き方・敬語表現

より丁寧な印象を与えるためには、正しい書き方や敬語表現を押さえておくことが大切です。
具体的な文書例や注意点もあわせて紹介します。

宛名の書き方|メール・文書の冒頭での使い方

メールや文書で「お取引先様各位」を使う場合、冒頭やタイトル部に下記のように記載します。

【例】
お取引先様各位
株式会社〇〇 営業部

文書の場合は1行目中央に「お取引先様各位」と記し、改行して自社名・部署名・担当者名を続けるのが一般的です。
メールの場合も本文の最初に「お取引先様各位」と置き、挨拶や本文へと続けます。

件名・タイトルでの使い方

メールや案内状の件名に「お取引先様各位」を入れることで、複数の取引先に向けた案内であることが明確になります。
件名例:

【お取引先様各位】年末年始休業のお知らせ
【お取引先様各位】新サービス開始のご案内

また、本文と同様に件名に使う際も、「お取引先様各位様」や「御中」などの重複表現は避けましょう。

敬語表現とビジネスマナー

「お取引先様各位」は、敬語・尊敬語が重なった非常に丁寧な表現です。
これだけで十分な敬意が込められているため、重ねて敬称や二重敬語を付け足す必要はありません。
ビジネス文書では「お取引先様各位」の後に、「平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。」
「日頃より大変お世話になっております。」などの挨拶文を続けるのが礼儀です。

お取引先様各位の例文とよくあるQ&A

実際のビジネスシーンで役立つ例文や、よくある質問・疑問点をまとめました。

お取引先様各位を使った例文

【例文1】
お取引先様各位
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
このたび、弊社では下記の通り夏季休業期間を設けさせていただきます。


【例文2】
お取引先様各位
いつも大変お世話になっております。
このたび、○○サービスの提供を開始する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。

どちらも文頭で「お取引先様各位」と呼びかけ、続いて日頃の感謝や本文を記載するのが基本です。

よくあるQ&A|疑問点をスッキリ解消

Q:「お取引先様各位」と「各位」の違いは?
A:「各位」だけでは宛先があいまいです。「お取引先様各位」とすることで、取引先全体に向けた敬意ある呼びかけとなります。


Q:「御中」と一緒に使ってよい?
A:不要です。「お取引先様各位」だけで十分な敬意が表現されています。


Q:個人宛に使ってもよい?
A:個人や1社だけに送る場合は使いません。個人名や会社名を記載しましょう。

誤用例と注意したいポイント

「お取引先様各位様」「お取引先様各位御中」といった重ね表現は二重敬語となり、ビジネスマナー上おすすめできません
また、1社宛ての文書や、特定の個人宛てに「お取引先様各位」を使うと違和感があるため注意しましょう。
複数社や不特定多数の担当者全体に同じ内容を知らせる場合にのみ使うのが正しいマナーです。

お取引先様各位と似た表現・使い分け

ビジネス文書では「お取引先様各位」以外にも似た表現が使われます。
それぞれの違いや適切な使い分けを解説します。

「各位」「御中」「担当者様」との違い

「各位」は「みなさま」や「皆様方」を意味する敬称ですが、誰に宛てたものかがわかりにくいため、
ビジネス文書では「お取引先様各位」のように対象を明確にした表現が望ましいです。
「御中」は会社や部署宛ての敬称で、個人名の代わりに使いますが、
「お取引先様各位」とは用法が異なります。
「担当者様」は、特定の担当者がわからない場合や、複数の担当者に同じ内容を届けたい時に使うことがあります。

「お客様各位」「関係者各位」との使い分け

「お客様各位」は、サービスや商品を利用する顧客全体に向けて案内する際に使います。
「関係者各位」は、社内外を問わず関わる全ての担当者や関係者に向けた場合に用います。
「お取引先様各位」は、あくまでビジネス上の取引先(BtoB)に限定した宛名表現ですので、
内容や宛先の範囲によって使い分けましょう。

表記揺れや略式表現について

「取引先各位」「お取引先各位」など略した表現も見かけますが、最も丁重でフォーマルなのは「お取引先様各位」です。
略式表現は慣習や社風によることもありますが、公式な案内や初めての取引先には丁寧な表記を心がけましょう

まとめ|お取引先様各位の使い方・注意点

「お取引先様各位」は、複数の取引先全体に敬意を持って案内・通知する際に使う非常に丁寧な表現です。
一社宛や個人宛には使わず、「各位様」「各位御中」などの重ね敬語にならないよう注意しましょう。
文書やメールの宛名・タイトル・本文冒頭で正しく使うことで、ビジネスシーンでの信頼感やマナーの良さが伝わります。
意味や使い方をしっかり理解し、状況に応じて適切な表現を選びましょう。

表現 使う場面 注意点
お取引先様各位 複数取引先への案内・通知 1社・個人宛には不適
各位 複数宛全般 宛先が曖昧になりがち
御中 部署・会社宛 各位とは併用不可
担当者様 担当者不明の場合 フォーマル度はやや下がる
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