ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく耳にする「仰せつかりました」という言葉。
正しい意味や使い方、類語との違いまでマスターして、スマートなやりとりを目指しましょう。
仰せつかりましたの基本的な意味
「仰せつかりました」は、目上の人から何かを命じられたり、指示や依頼を受けたりした時に使う、非常に丁寧な敬語表現です。
日本語の敬語の中でも特にかしこまった印象があり、主にビジネスメールや式典、公式な発言などで使われます。
命令や依頼を受けたことを、謙虚に受け止めましたというニュアンスが含まれています。
この言葉は、「仰せ」(おおせ:目上の人の言葉や命令)と「つかる」(受ける)を組み合わせた「仰せつかる」の過去形です。
つまり、「(あなたの)ご命令・ご指示を確かに承りました」という意味合いになります。
仰せつかりましたの使い方基本パターン
「仰せつかりました」は主にビジネスや改まった場面で使われます。
例えば、上司から大切なプロジェクトを任された際や、取引先から業務を依頼された時、「この度、御指示の件、確かに仰せつかりました」のように用います。
また、式典などで「今回の任務を仰せつかりました○○です」と自己紹介する場面も多いです。
カジュアルな日常会話ではほとんど使われませんが、礼儀正しさや敬意を強調したい時に最適な表現です。
仰せつかりましたと承りました・承知しましたの違い
「仰せつかりました」「承りました」「承知しました」はいずれも「受け取りました」という意味ですが、ニュアンスに違いがあります。
「承りました」は依頼や注文を丁寧に受ける表現で、電話応対や接客でよく使われます。
「承知しました」は、内容を理解した・把握したという意味が強く、指示や連絡に対する返答に使われます。
一方、「仰せつかりました」はより格式が高く、敬意が強調される表現です。
上司や目上の方、取引先の重役に対して、特に重要な任務や案件を引き受ける際に使うとより丁寧です。
仰せつかりましたのビジネスメール例文
ビジネスメールで「仰せつかりました」を使う場合、以下のような文例が挙げられます。
「この度は大役を仰せつかり、誠に光栄に存じます。精一杯努めて参りますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」
「ご指示の件、確かに仰せつかりました。早急に対応いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。」
このように、丁重な言い回しで相手への敬意や感謝を表現できます。
特に責任のあるポジションや新しい役割を任された時に使うと、信頼感を与えられます。
仰せつかりましたの正しい使い方のポイント
正しく「仰せつかりました」を使うためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
使う場面や相手、言い換え表現などを覚えておきましょう。
使うべき場面・避けるべき場面
「仰せつかりました」は、目上の人や正式な場面でのみ使用するのが基本です。
日常会話やフランクなやりとりでは硬すぎて違和感があるため、一般的な会話では「承知しました」や「承りました」を使うのが自然です。
逆に、表彰式や社内の大きな人事発表、取引先からの重大な依頼など、きちんとした印象を与えたい場面では「仰せつかりました」が最適です。
間違いやすい使い方・注意点
「仰せつかりました」は謙譲語なので、自分や自社の行動に対してのみ使います。
相手の行動や第三者の行動には使えません。
例えば、「あなたが仰せつかりました」と言うのは誤用です。
また、同じ文章内で「承知いたしました」や「承りました」と混用しないよう注意しましょう。
文章全体のトーンを統一することで、より丁寧な印象を与えられます。
類語・言い換え表現との違い
「仰せつかりました」の類語としては、「承りました」「承知いたしました」「お引き受けいたします」などがあります。
それぞれの表現は、敬意のレベルや場面によって使い分けが必要です。
「お引き受けいたします」は、やや控えめに引き受ける意思を伝える表現です。
「仰せつかりました」は、重大な依頼や命令に対し、謹んで従う姿勢を強く示す際に使います。
仰せつかりましたの正しいニュアンスと印象
「仰せつかりました」は、単に「受けました」だけでなく、責任感や覚悟をもって任務を引き受ける意味合いが含まれています。
そのため、使い方によっては自信や誠実さをアピールできる強みとなります。
相手に与える印象
「仰せつかりました」は、非常にかしこまった表現なので、信頼感や誠実な印象を相手に与えることができます。
特に、大きな責任や役割を担う時に使えば、真剣に物事に取り組む姿勢を示せます。
正式なスピーチや社内外の挨拶文で使うことで、一目置かれる存在になることも。
ただし、あまりに多用すると堅苦しい印象になるため、TPOに応じて使い分けることが大切です。
ビジネスシーンでのおすすめの使い方
上司や取引先とのやりとりで、「仰せつかりました」を一度使うだけで、文章全体がグッと丁寧な印象になります。
目上の方へのメールやスピーチ、重要な職務の就任挨拶などで積極的に使いましょう。
一方で、同僚や部下とのカジュアルなコミュニケーションでは適さないため、「承知しました」など柔らかい表現にするのがおすすめです。
状況に応じて表現を選びましょう。
より丁寧な表現や組み合わせ例
さらに丁寧に伝えたい場合は、「仰せつかりましたこと、誠に光栄に存じます」「身に余る大役を仰せつかり、身の引き締まる思いでございます」など、感謝や責任感のフレーズを添えると好印象です。
「精一杯努めて参りますので、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」といった一文を加えることで、より謙虚な姿勢を伝えることができます。
まとめ
「仰せつかりました」は、目上の人から重要な依頼や任命を受けた際に使う、格式高い敬語表現です。
ビジネスシーンや公式な場面で使うことで、相手に誠意や責任感を伝えられます。
使う相手やタイミングを見極め、他の敬語表現と上手に使い分けて、より円滑で信頼されるコミュニケーションを目指しましょう。
表現 | 意味 | 適した場面 |
---|---|---|
仰せつかりました | 目上の人からの命令・依頼を丁重に受けた | 公式・重要な場面、任命、挨拶 |
承りました | 依頼や注文を丁寧に受けた | 電話応対、接客、ビジネス一般 |
承知しました | 内容を理解し把握した | 連絡・指示への返答 |