「となっております」は、ビジネスメールや案内、説明文などで頻繁に使われる丁寧な日本語表現です。
現状や事実、スケジュール、仕様などをやわらかく伝えたいときに使われますが、正しい意味や使い方、言い換え例、注意点を知ることで、より伝わる・信頼されるコミュニケーションが可能になります。
この記事では、「となっております」の意味・敬語のポイント・例文・言い換え・NG例などを詳しく解説します。
「となっております」の意味と基本的な使い方
「となっております」は、「~となる」(=~になる)を丁寧にした表現で、「~です」「~でございます」よりも少し柔らかい響きがあります。
現状・予定・仕様・決まり・事実などを説明・案内する場面で、「(現在)このような状況です」「(予定)このようになります」と伝えるときに使います。
ビジネスシーンでは、事務的すぎず、やや距離感のある丁寧さを出したいときに便利です。
主な使用例
・「本日の会議は15時からとなっております。」
・「納期は来週末となっております。」
・「キャンペーンは今月末までとなっております。」
・「商品の在庫は残りわずかとなっております。」
このように、案内やお知らせ、説明の際に現状や決まりをやんわり伝えたい場合に使います。
「です」「でございます」との違い
「~です」は丁寧語、「~でございます」はより丁寧・フォーマルな言い方です。
「~となっております」は、事実を淡々とやわらかく伝えるニュアンスがあり、断定を避けつつ情報提供したいときに適しています。
表現 | 丁寧さ・ニュアンス | 主な使用場面 |
---|---|---|
~です | 標準的な丁寧語 | 一般的な説明・会話 |
~でございます | 最上級の丁寧語・フォーマル | 公式案内・謝罪・改まった場面 |
~となっております | やや柔らかい・現状説明・事務的 | 案内・通知・淡々とした説明 |
「となっております」の使い方と注意点
「となっております」は便利な表現ですが、多用しすぎると事務的・他人事に聞こえる場合もあるため注意が必要です。
また、「自分や自社の責任をあいまいにする」印象になりがちなので、使いどころや組み合わせに工夫をしましょう。
適切な使い方の例
・「ご予約内容は以下の通りとなっております。」
・「ご質問の件、回答は来週中となっております。」
・「会場はAホールとなっておりますので、お間違いのないようご注意ください。」
このように、既定・状況・スケジュールなどを丁寧に案内する時に使います。
使いすぎ・誤用に注意
・トラブルや謝罪、緊急対応など責任が問われる場面で「~となっております」を多用すると、他人事・受け身に受け取られがちです。
例:「ご注文は承っておりますが、発送は遅れている状況となっております。」→
もっと主体的に「発送が遅れており、ご迷惑をおかけしております。」などと言い換える方が誠実です。
使用シーン | 適切な例 | 注意・改善点 |
---|---|---|
案内・通知 | 「開始時間は13時となっております。」 | 情報提供に最適 |
謝罪・トラブル | 「現在、システム障害となっております。」 | 責任の所在がぼやけるため、状況説明+謝罪や対応も加える |
お知らせ・FAQ | 「こちらの商品は在庫切れとなっております。」 | 現状の説明に便利 |
「となっております」の言い換え・バリエーション
繰り返し使いすぎを避けるために、状況や相手に合わせた言い換え表現を知っておくと便利です。
よく使われる言い換え例
・「~でございます」
・「~となります」
・「~の予定です」
・「~を予定しております」
・「~の状況です」
・「~の見込みです」
・「~を予定いたしております」
など、内容や丁寧さに応じて言い換えが可能です。
文脈に応じた表現選び
・案内や通知→「~でございます」「~となります」
・状況説明→「~の状況です」「~となっております」
・予定や見込み→「~の予定です」「~の見込みです」
場面や文脈、相手の立場によって柔軟に表現を使い分けましょう。
表現 | 主な使い方 | ポイント |
---|---|---|
~でございます | 改まった案内・正式な場面 | 最もフォーマルで断定的 |
~となります | ややカジュアル・軽い案内 | 将来・予定を伝える |
~の予定です | 予定やスケジュールの案内 | 柔らかい印象を与える |
~の状況です | 進捗・現状説明 | わかりやすい状況報告 |
まとめ|「となっております」の正しい使い方と注意点
「となっております」は、現状・予定・仕様・事実などをやわらかく丁寧に案内する便利な表現です。
ただし、多用や受け身的な印象には注意し、場面ごとに責任や主体性も意識した表現を選ぶことが大切です。
言い換え例や使い分けをマスターし、より丁寧で伝わるコミュニケーションを心がけましょう。