「ないしは」は、文章や会話、特にビジネス文書や契約書などで見かけるややフォーマルな日本語表現です。
日常ではあまり使われないものの、「または」「もしくは」のように複数の選択肢を示す際に、
意味やニュアンスに微妙な違いがあります。
今回は「ないしは」の正しい意味、使い方、ビジネスでの言い換え例、
使い分けポイントについて詳しく解説します。
「ないしは」の意味と正しい使い方
「ないしは」は、「または」「あるいは」「もしくは」と同じく、複数の選択肢を提示する接続詞です。
どちらか一方、またはどちらでもよいという場合に使われます。
特に、文語的・フォーマルな印象が強いため、
契約書や規約、報告書、正式な案内文などでよく用いられます。
使用例
・「氏名ないしは住所を記入してください。」
・「本人ないしは代理人が手続きを行うこと。」
・「10名ないしはそれ以上のご参加をお願いします。」
このように、複数の選択肢や条件を提示する際に「ないしは」を使います。
「ないしは」と「または」「もしくは」「あるいは」の違い
「または」「もしくは」「あるいは」は、日常会話からビジネス文書まで幅広く使える言葉ですが、
「ないしは」はより硬い印象があり、主に書き言葉や法律文書・契約書で使われます。
意味の違いはほとんどありませんが、
相手や場面によって「または」や「もしくは」に言い換えることで、
より自然な日本語になります。
ビジネス文書・公式文書での活用
ビジネスや法的な文書では、
「AないしはB」と書くことで、どちらか一方、または両方の選択肢が認められることを示します。
例えば、「代表者ないしは担当者」「契約者ないしはその家族」など、
曖昧さを排除し、明確な選択肢を提示したい時に使われます。
「ないしは」のビジネスでの言い換え・使い分け
「ないしは」はフォーマルですが、
より柔らかい印象やカジュアルな表現を使いたい場合には、
他の接続詞に言い換えることも大切です。
主な言い換え表現
・「または」
・「もしくは」
・「あるいは」
・「それとも」
・「どちらか」
・「いずれか」
ビジネスメールや案内文では「または」「もしくは」がもっとも一般的です。
例えば、「郵送またはFAXでご提出ください」「本人もしくは代理人」など。
シーン別の使い分けポイント
・契約書や法的な文書:ないしは(より厳密な選択肢が必要な場合)
・ビジネスメールやお知らせ:または・もしくは(丁寧かつ自然な日本語)
・会話やカジュアルな場面:どちらか・いずれか(口語的で柔らかい)
注意点
「ないしは」は意味が堅く伝わりやすい一方で、
使いすぎると文章全体が固くなり、読みにくくなることもあります。
一般的なメールや会話では「または」や「もしくは」を使うとバランスが良くなります。
「ないしは」使い方の注意点・よくある誤用
・「ないし」は「内視」「無いし」などと誤記しやすいので、
正しく「ないしは(乃至は)」と記載しましょう。
・「AないしはB」は「AまたはB」「AもしくはB」とほぼ同じ意味ですが、
どちらか一方のみの場合と両方を含む場合があるため、
文脈に注意が必要です。
より丁寧にしたい場合
「いずれかをご選択ください」「どちらかをご指定ください」など、
選択肢を明確に伝える表現を使うことで、
誤解なく柔らかく案内できます。
まとめ
「ないしは」は、選択肢を提示するフォーマルな日本語であり、
特に契約書や公的文書、正式な案内で重宝されます。
一方で、一般的なビジネスメールや日常会話では「または」「もしくは」など、
より親しみやすい表現を使い分けるのがコツです。
TPOに合わせた自然な日本語表現を身につけて、
場面ごとに適切な接続詞を選びましょう。
言い換え表現 | 主な用途・ニュアンス |
---|---|
または | ビジネスメール・一般的な案内で定番 |
もしくは | やや柔らかい印象・日常の連絡 |
あるいは | やや文語的・説明文・案内文 |
どちらか・いずれか | カジュアル・会話で使いやすい |
ないしは | 契約書や法的文書など厳密な場面 |