「このごにおよんで」は、日常会話やビジネスシーンでも意外と耳にする日本語表現です。
ピンチや切羽詰まった場面などで使われることが多く、適切に使いこなしたい言葉のひとつです。
本記事では、「このごにおよんで」の意味や正しい使い方、例文、類語との違いまで詳しく解説します。
言葉のニュアンスや注意点も押さえて、ぜひ活用できるようになりましょう。
このごにおよんでとは?意味と語源をやさしく解説
「このごにおよんで」は、事態がある段階や状況にまで進展したことを指し、「もう取り返しがつかない段階」「今さらどうしようもない時点」といった意味合いで使われます。
語源をたどると、「この期(ご)」は「このとき」「この段階」、「及んで(およんで)」は「ある段階に達して」という意味になります。
つまり、「ここまで事態が進んだのに」「今となっては」というニュアンスが含まれています。
ビジネスや日常のやりとりの中でも、「このごにおよんで…」と切り出すことで、今さら感や時間切れのニュアンスを強く伝えることができます。
このごにおよんでの意味とニュアンス
「このごにおよんで」の最も大きな特徴は、「もう後戻りできない」「今さらどうしようもない」という諦めや焦りの気持ちが込められている点です。
例えば、問題が発生した後や重要な期限が過ぎてしまった場面で、「このごにおよんで言い逃れはできません」と使うと、「もはや手遅れだ」という強い意味になります。
また、相手の行動や言動に対して、「このごにおよんでまだそんなことを言うのか」というように、驚きや呆れを込めて使うこともあります。
このように、「このごにおよんで」は、状況の重大さや切迫感を強調する表現として重宝されます。
このごにおよんでの正しい使い方と例文
「このごにおよんで」を使う時は、主に「もう遅い」「今さら」といった否定的なニュアンスを伝える場面が多いです。
ビジネスメールや会話での例文を挙げると、
・このごにおよんで計画を変更することはできません。
・このごにおよんでそんな言い訳をしても意味がありません。
・このごにおよんで責任回避は許されません。
といった使い方があります。
特に、責任追及や最終確認の場面など、事態が最終段階に来ていることを強調したい時に適しています。
このごにおよんでの注意点とよくある誤用
「このごにおよんで」はフォーマルな表現なので、カジュアルな会話や親しい間柄ではやや堅苦しく感じられる場合があります。
また、相手を責めるような響きが強いため、使い方によっては攻撃的に受け取られることもあるので注意が必要です。
誤用しやすい例としては、「このごにおよんでまだ間に合う」という使い方ですが、これは意味が逆になるため誤りです。
「このごにおよんで」は基本的に「もう遅い」「今さら」という意味なので、「まだ間に合う」とは両立しません。
正しく使うためには、状況が最悪・手遅れであることを前提にした文脈を意識しましょう。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 意味 | もう後戻りできない、今さらどうしようもない段階 |
| 主な使用場面 | ビジネスメール、トラブル対応、責任追及など |
| 例文 | このごにおよんで計画変更はできません。 |
| 注意点 | カジュアルな場では堅すぎる・責める印象に注意 |
このごにおよんでの類語・言い換え表現を詳しく紹介
「このごにおよんで」と似た意味を持つ言葉もいくつかあります。
ここでは、代表的な類語や言い換え表現を紹介し、それぞれの違いや使い分けを解説します。
今さら・いまになって
「今さら」や「いまになって」は、「このごにおよんで」とほぼ同じ意味で使われますが、より日常的でカジュアルなニュアンスがあります。
例えば、「今さらそんなことを言われても困ります」のように、ややくだけた会話の中で使われることが多いです。
一方、「このごにおよんで」は堅めの言い回しであり、ビジネスや公式な場面に向いています。
使い分ける際は、シーンや相手との関係性を考慮しましょう。
手遅れ・最終段階
「手遅れ」や「最終段階」も、「このごにおよんで」と同様に、すでに対処が難しい・もう戻れないという意味で使われます。
「手遅れ」はより直接的に絶望的な状況を表すため、感情が強く出やすい表現です。
「最終段階」は事務的・客観的な印象があり、状況説明や進捗報告の際に適しています。
それぞれ、伝えたいニュアンスや気持ちに合わせて選ぶのがポイントです。
もはや・いまや
「もはや」や「いまや」は、ある状況がすでに変化してしまったことを強調する言葉です。
「もはやこれまでだ」「いまや手遅れだ」といった使い方をしますが、「このごにおよんで」よりもやや抽象的で幅広い場面で使えます。
「このごにおよんで」は状況に具体性がある場合、「もはや」「いまや」は状況全体を漠然と捉える場合に適しています。
使い分けに注意しましょう。
| 言葉 | ニュアンス | 主な使用シーン |
|---|---|---|
| 今さら | カジュアル、日常的 | 普段の会話、親しい間柄 |
| 手遅れ | 直接的、感情的 | 緊急時、深刻な場面 |
| もはや | 幅広い、抽象的 | 一般的な状況説明 |
ビジネスでの「このごにおよんで」の具体的な使い方・マナー
ビジネスの現場では、「このごにおよんで」は責任追及や問題発生時に使われることが多い表現です。
ここでは、実際のビジネスシーンでの使い方や注意点、礼儀正しい伝え方を詳しく解説します。
ビジネスメールや会議での用例
ビジネスメールや会議、報告書など、公式なコミュニケーションでは「このごにおよんで」は重みのある言葉です。
例えば、納期遅れや大きなトラブルの際に、「このごにおよんで変更は認められません」「このごにおよんで責任の所在を明確にしてください」といった使い方をします。
ただし、相手を強く責めたり、関係を悪化させるリスクもあるため、必要以上に強調せず、状況を冷静に説明する姿勢が大切です。
目上の人に使う場合の注意点
「このごにおよんで」はやや断定的な表現のため、上司や取引先など目上の人に対して使うときは慎重さが求められます。
例えば、「このごにおよんでご指示を仰ぐこととなり、申し訳ございません」といった形で、謙虚さや謝罪の気持ちを添えるのがポイントです。
一方的に責任を押し付ける印象にならないよう、相手の立場も配慮した表現を心がけましょう。
効率的なコミュニケーションのためのコツ
「このごにおよんで」を効果的に使うためには、事実関係や状況を明確に伝えることが大切です。
曖昧なまま使うと、相手に誤解や不快感を与えてしまうことがあります。
具体的な事例や数字、背景を添えて説明することで、説得力と納得感を高めましょう。
また、感情的にならず冷静に伝えることも、ビジネスシーンでは重要なポイントです。
| 使用例 | ポイント |
|---|---|
| このごにおよんでのご指示、大変恐縮です | 謙虚さ、謝罪の気持ちを表現 |
| このごにおよんで責任逃れはできません | 断定的な表現、状況説明の明確さ |
| このごにおよんで変更は認められません | 最終判断、意思表示の明確化 |
このごにおよんでのまとめ
「このごにおよんで」は、「今さら」「もう後戻りできない」といった強いニュアンスを持つ日本語表現です。
ビジネスや日常会話で、状況の切迫感や手遅れ感を伝えたいときに使われます。
同じ意味を持つ類語や言い換え表現も多く、シーンや相手に合わせた使い分けが大切です。
フォーマルな言い回しであるため、特にビジネスシーンでは敬意や配慮を忘れずに活用しましょう。
正しい意味と使い方を理解して、言葉を上手に使いこなしてください。

