「従事する」という言葉は、履歴書や職務経歴書、ビジネスメールなどでよく登場する表現です。
ですが、何気なく使っているものの、正確な意味や使い方を知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「従事する」の本来の意味や使い方、具体的な例文、類語・関連語との違い、注意点まで分かりやすく解説します。
「従事する」とは？意味と概要
まずは、「従事する」という言葉の意味や、どんな場面で使うのかを整理しましょう。
「従事する」の意味
「従事する」とは、特定の仕事や業務、研究、活動などに携わっている・専念しているという意味です。
主に仕事や職業、専門分野に「従事する」と使われ、専門性や継続性が求められる場面で用いられます。
たとえば「医療業務に従事する」「教育現場に従事する」「開発プロジェクトに従事する」といった形で使われます。
単なる「関わる」「手伝う」よりも、主体的かつ職業的に取り組んでいるニュアンスが強いのが特徴です。
使われる場面や文脈
「従事する」は、履歴書や職務経歴書、自己紹介文、ビジネスレポート、研究発表、行政文書など、フォーマルかつ公式な文章でよく使われます。
「〇〇の業務に従事しています」と記載することで、自分の担当分野や専門性を明確に伝えることができます。
日常会話では使う？
「従事する」は、日常会話ではやや堅めの表現です。
「今、〇〇の仕事をしています」と言い換えられる場面も多いですが、ビジネスや公式な場面では「従事する」を選ぶことで信頼感や専門性を演出できます。
ビジネスシーンでの「従事する」の使い方・例文
具体的なビジネス文書やメールで「従事する」を使う場合の例文や表現パターンを紹介します。
履歴書・職務経歴書での使い方
・「これまで10年以上、システム開発業務に従事してまいりました。」
・「営業職に従事した経験を活かし、顧客満足度向上に貢献してきました。」
・「医療現場に従事した知識と経験を基に、今後も社会貢献してまいります。」
これらの例文は、職務経歴や専門分野をアピールする際に非常に効果的です。
ビジネスメール・報告書での使い方
・「私は現在、〇〇プロジェクトに従事しております。」
・「新たに設立された部署に従事することとなりました。」
・「10年間、品質管理業務に従事してまいりました。」
フォーマルなやりとりや自己紹介、部署異動など、自分の担当や実績を伝える場面で使うと、より正式な印象になります。
学術・行政文書での使い方
・「研究開発に従事する研究員」
・「福祉活動に従事する職員」
・「災害救援活動に従事しているボランティア」
このように、社会的・公共的な役割を強調したいときにも有効な表現です。
「従事する」の類語・関連語との違い
「従事する」と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
正しく使い分けることで、文章がより洗練されます。
「携わる」との違い
「携わる」は、ある仕事や活動の一部を担うという意味で、「従事する」よりやや広い範囲・柔らかいニュアンスがあります。
たとえば「プロジェクトに携わる」は関係している程度も含みますが、「プロジェクトに従事する」はより積極的・主体的に関与していることを強調します。
「従事する」と「従業」の違い
「従事する」は特定の業務・活動に専念すること、「従業」は仕事に就く・生業とするという意味で、やや広いニュアンスを持ちます。
たとえば「販売業に従事する」と「販売業に従業する」はほぼ同じですが、「従事する」の方がフォーマルで文書向きです。
「専念する」「従う」との違い
「専念する」は、ほかのことをせず一つのことに集中することを強調する言葉です。
「従う」は、指示やルールに従う・従属する意味で、全く別の意味となります。
「従事する」は、「ある業務・分野に身を置き、積極的に取り組んでいる」ことがポイントです。
「従事する」を使う際の注意点・マナー
便利な表現ですが、使い方にはいくつかの注意点があります。
使いすぎ・重複表現に注意
同じ文中や文書内で「従事する」を何度も繰り返すと、くどい印象になります。
「携わる」「担当する」「従業する」などと適度に言い換えると、文章がスムーズになります。
具体的な内容・実績も合わせて伝える
「従事する」だけでは内容がぼんやりするため、どんな業務・役割に従事したのかを具体的に書くことが大切です。
例：「製品開発に従事」「現場管理に従事」など、内容や成果とセットで表現しましょう。
日常会話にはやや堅い印象
「従事する」は堅め・フォーマルな言葉なので、カジュアルな会話や軽い連絡には「仕事をしています」「〇〇担当です」などの表現を選ぶのが自然です。
まとめ：「従事する」は専門性・公式性を強調するフォーマル表現
「従事する」は、ビジネスや公的な場で自分の担当業務や役割を伝える際に最適な言葉です。
「携わる」などの類語との使い分けや、具体的な実績・内容を合わせて伝えることで、文章がより分かりやすく、信頼感もアップします。
シーンに合った正しい使い方を心がけ、自己アピールやビジネスコミュニケーションで活用しましょう。
