拝見させていただくの正しい意味と使い方・ビジネス敬語例34選

「拝見させていただく」という表現は、ビジネスメールや会話でしばしば耳にするフレーズです。
しかし、正しい使い方や意味、また本当に適切な敬語表現なのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「拝見させていただく」の意味や使い方、間違いやすいポイント、例文まで詳しく解説します。
ビジネスシーンで自信を持って使えるよう、楽しく分かりやすくご紹介します。

拝見させていただくとは？

「拝見させていただく」とは、相手の物や情報を自分が謙虚な気持ちで見る・読むという意味を持つ敬語表現です。
一般的には、ビジネスメールや会話で目上の人や取引先に対し、資料・メール・作品などを「拝見させていただく」と言って、丁寧に見せてもらうことを表します。

この言葉には「拝見（謙譲語）」＋「させていただく（丁寧な補助動詞）」という2つの敬語表現が組み合わさっています。
一見、とても丁寧で正しいように見えますが、実は使い方によっては注意が必要です。

拝見させていただくの構造と敬語レベル

「拝見」は「見る」の謙譲語です。
自分がへりくだることで相手を立てる言い方となります。
そこに「させていただく」を加えることで、許可をいただき、かつ丁寧に自分が行動するという意味合いが強くなります。
つまり「相手が見せてくれること」に感謝し、かつ許可をもらって行動するという姿勢を表します。

ビジネスの現場では、上司や取引先など目上の相手に対して、より丁寧さを示したい場合によく使われます。
ただし、敬語を重ねすぎて「過剰敬語」になるケースもあるため、次の段落で正しい使い方を確認しましょう。

正しい使い方と避けるべきポイント

「拝見させていただく」は、二重敬語だと指摘されることもあります。
確かに「拝見」自体が十分謙譲語であり、「させていただく」を重ねると敬語の過剰表現になる場合があります。
そのため、より洗練された言い回しをしたい場合は「拝見いたします」「拝見します」だけで十分です。

一方、相手の許可や厚意によって資料や作品などを「見せてもらう」場合には、「拝見させていただく」も使われます。
特に「お送りいただいた資料を拝見させていただきます」などは、ビジネスメールでよく見かける表現です。
ただし、社外や目上の方には「拝見いたします」とシンプルにする方が印象は良くなります。

「拝見させていただく」の具体的な例文・使い方

ビジネスでよく使われる「拝見させていただく」の例文をいくつかご紹介します。
正しい使い方や、より丁寧にしたい場合のバリエーションも合わせてご参考ください。

・「ご送付いただきました資料、早速拝見させていただきます。」
・「ご提案内容を拝見させていただいた上で、改めてご連絡いたします。」
・「ご記入いただいたアンケートを拝見させていただきました。」

このように、相手の厚意や許可によって何かを見る場合には使いやすく、悪い印象を与えることは少ないです。
しかし、よりフォーマルな文書や改まった場面では「拝見いたします」「拝見しました」とするのが理想的です。

「拝見させていただく」を使う際の注意点

「拝見させていただく」は便利な一方で、使い方を誤ると相手に違和感を与える場合があります。
その主なポイントを押さえておきましょう。

二重敬語の指摘と現代ビジネスでの扱い

「拝見」＋「させていただく」は、昔ながらの日本語の厳密な規則から見ると「二重敬語」とされています。
しかし現代ビジネスでは、実際にはそれほど強く問題視されていません。
多くのビジネスマナー本や上司も「拝見させていただく」を許容しています。

ただし、公式文書や目上の方との重要なやりとりでは、やはり「拝見いたします」や「拝見します」といったシンプルな敬語の方が好印象です。
状況に応じて使い分けましょう。

自然な敬語表現への言い換え方法

「拝見させていただく」が過剰に感じられる場合や、もっとスッキリしたい時は、次のように言い換えることができます。
・「拝見いたします」
・「拝見します」
・「確認いたします」「確認させていただきます」

「拝見」自体が十分へりくだった表現なので、過度に丁寧語を重ねなくても好印象を与えます。

また、相手から特別な許可や厚意を受けた場合以外は、「拝見いたします」で十分です。
使い分けを意識してみましょう。

誤用例とやってしまいがちな失敗

「拝見させていただく」を使う時、やってしまいがちな誤用例も見てみましょう。
・「お話を拝見させていただく」→「話」は「見る」行為でないため不適切
・「写真を拝見させていただく」→正しい
・「ご意見を拝見させていただく」→「意見」は「読む」場合のみ適切

「拝見」はあくまで「見る」「読む」ものに限定されます。
「聞く」「話す」には使えないため、意味の合わない組み合わせにならないよう注意しましょう。

「拝見させていただく」の類語・言い換え表現

「拝見させていただく」の他にも、ビジネス敬語で使える言い換え表現はたくさんあります。
状況や相手によって、より適切な言葉を選ぶのも大切です。

「拝見いたします」「ご確認いたします」などの使い分け

「拝見いたします」は、最もシンプルかつ丁寧な敬語としてどんな相手にも使えます。
「ご確認いたします」は、チェックして内容を確認する場合に使います。
「確認させていただきます」は、相手の許可を強調したい場合に適しています。

「ご査収ください」「ご覧いただく」などの表現も、資料送付時や書類を読んでもらいたい時によく使われます。
それぞれの場面で使い分けることで、よりスマートな印象を与えられます。

「拝見させていただく」と「ご覧になる」の違い

「拝見させていただく」は自分がへりくだって見る場合に使いますが、「ご覧になる」は相手が見る場合の尊敬語です。
例えば、「資料を拝見させていただきます」は自分が見る場合、「資料をご覧ください」は相手に見てほしい場合です。

この使い分けを間違えると、相手に不快感を与えることもあるため注意しましょう。
敬語の正しい使い方を身につけることで、ビジネスシーンでもより信頼される存在になれます。

「拝見させていただく」の言い換え例文集

ビジネスメールや会話で使える言い換え例文をいくつかご紹介します。
状況によって最適なものを選びましょう。

・「ご送付いただいた資料、拝見いたします。」
・「お送りいただきありがとうございます。確認させていただきます。」
・「ご提案内容につきましては、目を通させていただきます。」
・「ご案内いただき、拝読いたしました。」

これらの表現を覚えておくことで、幅広いシーンで柔軟に対応できるようになります。

まとめ

「拝見させていただく」は、相手に対して謙虚かつ丁寧に「見る」「読む」ことを表現する敬語です。
ビジネスシーンでは頻繁に使われますが、二重敬語や過剰敬語になりやすい点には注意が必要です。

基本的には「拝見いたします」「拝見します」と言い換えても十分丁寧で好印象です。
敬語の使い分けを意識し、場面や相手に応じて適切な表現を選びましょう。
正しい使い方を身につけることで、ビジネスコミュニケーションの質もぐっとアップします。