「由々しき」という言葉は、ニュースやビジネスシーンでもよく耳にしますが、実際に正しく使えている方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、「由々しき」の意味や使い方、類語、例文まで、知っておくと便利なポイントを丁寧に解説します。
由々しきの基本的な意味と由来
ビジネスや日常生活で「由々しき事態」といった表現を目にしたことはありませんか?
まずは「由々しき」という言葉の意味や成り立ちについて分かりやすくご紹介します。
由々しきの意味とは?
「由々しき」とは、「非常に重大で見過ごすことができない」「ゆゆしい」とも読み、軽視できないほど悪い、深刻な状態や問題を表す形容詞です。
日常会話というよりも、やや改まった場面や公式な文章で使用されることが多い表現です。
「由々しき問題」「由々しき事態」など、社会的なトラブルや解決が急がれる深刻な状況に使われます。
この「由々しき」という言葉は、「由」という文字が「理由」「いわれ」「起因すること」を意味し、「しき」は形容詞的な強調のニュアンスです。
つまり、「理由が重なって非常に大事である」「看過できないほど深刻である」という意味が込められています。
由々しきの語源と歴史的背景
「由々しき」は古語「ゆゆし」が語源で、「恐ろしい」「不吉だ」「並外れている」という意味を持っていました。
平安時代から使われてきた表現で、現代でも深刻さや重大性を際立たせるために使われることが多いです。
時代を経て「恐ろしい」という意味合いは薄れ、「非常に深刻」「重大」「見過ごせない」という現在のニュアンスへと変化してきました。
そのため、現代のビジネスやニュース、社内文書などで登場する際には、深刻な問題や危機的な状況を示す場合がほとんどです。
由々しきの正しい読み方と使い方
「由々しき」は「ゆゆしき」と読みます。
「ゆうゆうしき」「よよしき」などと間違えることがあるので、正しい読み方を覚えておきましょう。
使い方としては、「由々しき問題」「由々しき事態」「由々しき状況」など、名詞を修飾する形で使われるのが一般的です。
また、ニュースやビジネス文書、フォーマルな場面で重く受け止めるべき事柄に対して使うのが適切です。
カジュアルな会話や軽い内容にはあまり使用しません。
由々しきの具体的な使い方と例文
「由々しき」はどのような場合に使うのが適切なのでしょうか。
ビジネスシーンや日常生活での使い方、間違いやすいポイントについて詳しく解説します。
ビジネスシーンでの「由々しき」の使い方
ビジネスの現場では、問題や危機的な状況を報告したり共有したりする際に「由々しき」という言葉が頻繁に用いられます。
たとえば、「由々しき事態に陥った」や「由々しき問題が発生した」といった表現は、社内外問わず深刻な状況を冷静かつ的確に伝える際に非常に有効です。
また、社内会議や報告書、メール文面などで「由々しき」を使うことで、事態の深刻さや迅速な対応の必要性を強調することができます。
ただし、何でもかんでも「由々しき」と表現してしまうと、言葉の重みが薄れてしまうので、本当に深刻な場合に限定して使うのがポイントです。
日常生活での具体例と注意点
「由々しき」は日常会話で使う機会はあまり多くありませんが、ニュースや新聞記事などで「由々しき○○」と見聞きすることはよくあります。
たとえば、「社会に由々しき影響を与える問題」や「教育現場で由々しき事態が起きている」など、幅広い分野で応用可能です。
日常会話で使う場合は、相手に深刻な印象を与えることを意識しましょう。
たとえば、友人同士の軽い話題で「由々しき問題だね」と言ってしまうと、冗談っぽく聞こえたり、不自然に感じられる場合もあります。
改まった場面や重要な話題でのみ使うのが正しい使い方です。
間違いやすい使い方と注意すべき点
「由々しき」は「重大」「深刻」という意味を持つため、軽いトラブルや些細な問題には使いません。
たとえば、「今日のお弁当におかずを入れ忘れた、由々しき事態だ」などと使うと、ユーモアとしては成り立つかもしれませんが、本来の意味からは外れています。
また、「由々しき」を単独で使うことは少なく、必ず「由々しき○○」の形で名詞を修飾します。
語感の重みを正しく理解し、重大な局面や深刻な問題に対してのみ使うようにしましょう。
由々しきの類語・反対語・言い換え表現
「由々しき」の類語や反対語を知っておくことで、表現の幅が広がります。
ここでは、よく使われる類似表現や言い換えフレーズについてご紹介します。
由々しきの代表的な類語
「由々しき」と近い意味を持つ言葉には次のようなものがあります。
「深刻」「重大」「看過できない」「危機的」「憂慮すべき」「ゆゆしい」などが挙げられます。
これらの表現は、ビジネス文書やニュース記事、公式なアナウンスメントなどでもよく使われます。
「由々しき」はやや古風で格式のある言い方ですが、「深刻な問題」「重大な事態」といった表現はより日常的で幅広く応用できます。
状況や相手に応じて使い分けることで、コミュニケーションの精度が高まります。
反対語や対義語について
「由々しき」の反対語としては、「些細な」「軽微な」「問題ない」「平穏な」などが考えられます。
「由々しき」は深刻で重大なニュアンスなので、反対の意味を表現する際は「特に問題はない」「心配無用」などと伝えると良いでしょう。
また、「由々しき」ほど重くはないが「注意すべき」「懸念される」といった弱めの表現を使いたい時は、「注意が必要」「懸念される」などが適しています。
言葉の重みやニュアンスを意識して選ぶことが大切です。
言い換え表現と使い分けのポイント
「由々しき」の言い換えとして、同じように使える表現には「深刻な」「重大な」「看過できない」「危機的な」などがあります。
たとえば、「由々しき事態」を「深刻な事態」「重大な問題」「看過できない状況」などに置き換えても、ほぼ同じ意味として伝わります。
ただし、「由々しき」はやや格式ばった響きがあるため、フォーマルな文書や公式なコメントに適しています。
一方で「重大な」「深刻な」はよりフラットで日常的な表現となるため、使い分けることで文章の印象や説得力を調整できます。
| 表現 | 意味・使いどころ |
|---|---|
| 由々しき | 非常に重大で深刻、公式・改まった場面向き |
| 重大な | 広く一般的な表現、ビジネス文書や会話でも使いやすい |
| 深刻な | 問題の深さや切迫感を伝える際に有効 |
| 看過できない | 見過ごせないほどの問題や事態 |
| 危機的な | 危険やリスクが高く切迫した状態 |
由々しきの正しい使い方と注意点まとめ
「由々しき」という言葉は、非常に重大で深刻な状況や問題を表すフォーマルな日本語表現です。
ビジネスや公式な文章、ニュース報道などで使われることが多く、正しい意味と使いどころを理解することが大切です。
普段使いにはやや重い響きがあるため、実際に深刻な場面や重要な局面でのみ使用するようにしましょう。
類語や言い換え表現も上手に活用し、状況や相手に応じて適切な言葉選びを心がけてください。
「由々しき」を正しく使いこなすことで、コミュニケーションの信頼性や説得力が一段と高まります。

