及びの意味や使い方、違いや類語も徹底解説【ビジネス文書例も紹介】

「及び」は日常生活だけでなく、ビジネス文書や契約書でも頻繁に使われる言葉です。
しかし、正しい使い方や「並びに」との違いを理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、「及び」の意味、使い方、類語や違い、ビジネスシーンでの正しい表現例まで、分かりやすく解説します。

目次

及びとは?意味や用途をわかりやすく解説

「及び」は、複数の事柄を繋げる際に使う日本語の接続詞の一つです。
主にフォーマルな場面や文書で使われ、日常会話ではあまり見かけません。
ここでは「及び」の意味や、どんな時に使うのが適切なのかを詳しく見ていきましょう。

及びの意味と定義

及びとは、「A及びB」のように、複数の物事を並列に繋げるための接続詞です。
「および」と読み、漢字表記が用いられることが多いですが、ひらがなでも誤りではありません。
例えば「社員及び役員」や「法律及び条例」のように、性質や立場が同じものを列挙する時に使われます。
また、文章を簡潔にし、内容を明確に伝えるために欠かせない単語です。

及びの使い方と例文

「及び」は、主に2つ以上の名詞を並べる際に使われます。
例えば、ビジネスの場面では
「申込書、契約書及び同意書を提出してください。」
「社員及びその家族を対象に説明会を開催します。」
というように使います。
このように、公的・ビジネス文書で正式性や正確性を求める場面で多用されます。

及びの語源と歴史

「及び」は、「及ぶ」という動詞がもとになった語です。
「及ぶ」は「到達する」「広がる」などの意味を持ちます。
このため、「A及びB」は「AとBの両方に及ぶ」というニュアンスから派生し、並列・列挙の接続詞として現代日本語に根付きました。
特に法令や規則、契約書などの正式文書で定着した言葉です。

及びと並びにの違いと正しい使い分け

「及び」と似た接続詞に「並びに」があります。
どちらも複数の事柄を繋げる言葉ですが、意味や使い方には違いがあります。
ここでは、それぞれの違いと正しい使い分け方を詳しく解説します。

及びと並びにの使い分け

「及び」は、同じ種類・同列のものを並べるときに使います。
一方「並びに」は、関連性のあるものや、より大きなまとまりを繋ぐときに使われます。
たとえば、
「社員及び役員」…同じ立場の人同士を並べる
「社員、役員並びにその家族」…社員と役員を一つのグループ、その家族を別のグループとし、両方を繋げる
という違いがあります。

実際の文書での使い分け例

ビジネス文書や契約書の例で見ると、
「第1条 申込者及び代理人は、…」
「第2条 申込者、代理人並びにその家族は、…」
といった形で使い分けます。
このように、「及び」は同格、「並びに」はグループ同士や付属事項を繋ぐという意識が重要です。

まとめ:及び・並びにの使い方のポイント

「及び」は、同列・同格の名詞の列挙に。
「並びに」は、複数のグループや事項を繋ぐときに。
このポイントを押さえて使い分けるのが、正しい日本語表現です。
ビジネス文書や公式な書類では、特にこの違いを意識しましょう。

及びの類語・言い換え表現とその違い

「及び」以外にも、複数のものを繋ぐ表現はいくつかあります。
ここでは、「および」の代表的な類語や言い換え表現、そしてそれぞれの微妙なニュアンスの違いについて詳しく解説します。

そして・また・ならびにとの違い

「及び」の類語として、「そして」「また」「ならびに」などがあります。
「そして」は話し言葉でよく使われ、フォーマルさは「及び」より劣ります。
「また」は追加や補足のニュアンスが強く、列挙よりも関連事項を述べる時に便利です。
「ならびに」は「並びに」とほぼ同じ意味ですが、ひらがな表記が多いです。
それぞれ、使う場面や文書の種類に応じて適切に選ぶことが大切です。

フォーマルな場面での言い換え表現

ビジネスメールや契約書、議事録などでは「及び」を使うのが最も無難です。
ただし、あまりにも「及び」を連発すると読みにくくなるため、「および」「並びに」「また」などをバランスよく使い分けることが大切。
例えば「A及びB、並びにC」など、複数の接続語を組み合わせることもあります。

カジュアルな場面の言い換え

日常会話や親しい間柄でのメールでは、「および」はやや硬い印象を与えます。
そのため「と」「や」「それと」「あと」などの柔らかい言葉で言い換えるのが自然です。
ただし、書面や公的な発表ではカジュアルな言葉は控え、「及び」を選択するのが無難です。

ビジネスシーンでの及びの正しい使い方

ビジネス文書や契約書では、「及び」を正しく使うことが求められます。
ここでは、実際のビジネスシーンを想定した例文や注意点を紹介します。

契約書・規約での及びの使用例

契約書や規約では、対象を正確に列挙するために「及び」を用います。
例:
「本契約は、甲及び乙の合意に基づき締結する。」
「社員及びその家族は、福利厚生制度を利用できる。」
このように、誤解を生まない明確な表現が求められる場面で「及び」は必須です。

ビジネスメール・報告書での使い方

社内外の連絡メールや報告書でも、「及び」はよく登場します。
例:
「企画書及び予算案を本日中に提出願います。」
「営業部及び総務部の出席をお願いします。」
このように、複数の書類や部署、人物を並列で挙げる時に活用できます。

注意したい誤用・NG表現

「及び」を連続して使うと、文が冗長になり意味が伝わりにくくなります。
また、本来は同格の名詞同士を繋ぐ言葉なので、属性が異なるものを無理に並べないよう注意しましょう。
例えば、「社員及びその扶養家族及びペット」のような表現は避け、グループ分けして「社員及びその扶養家族、並びにペット」と整理するとよいでしょう。

及びの正しい使い方まとめ

「及び」は、同じ性質や立場の名詞を並べる時に使う日本語の接続詞です。
ビジネスシーンや公的文書では、正確かつ明確な表現として不可欠な言葉です。
「並びに」や「また」などの類語との使い分けを意識し、場面に応じて最適な表現を選びましょう。
正しい「及び」の使い方を身につけることで、文書の信頼性や読みやすさが格段に向上します。

言葉 意味 使い方の特徴
及び 同格の名詞を並列に繋ぐ フォーマル・ビジネス文書で多用
並びに グループや付属事項を繋ぐ より大きなまとまりや関連事項に
また 追加・補足を表す 関連事項を説明する時に
そして 順接を表す 話し言葉・カジュアルな文脈に

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